12 ページ12
2
朝方、マックの運転する車に乗り込み、ため息をついた。
「お疲れさん、ジョニー。収穫は」
「大漁。報酬多めにもらいたいくらいやー」
「どうせ食いもんか酒にしか使わんやろ…まあええけど」
昨日のはなかなかにしつこい女で、巻くのに苦労したんで迎えの車を呼んだ。身体に染み付いた匂いを一刻も早く流したい。
「そういえば…エースを怒らんといてやれよ」
「は?…なに、またなんかしたんあの人」
マックの顔はニヤついていた。エースに何かやらかされるのなんか珍しくない。タバコをキッチンで吸われるなんて日常茶飯事やし。
「まあ、帰ったらわかるわ。エースはなんとも思てへんやろけど」
「もったいぶらんといてよ」
なにがあったか知らんけど、とりあえず帰ったらシャワー、そして洗濯や。何よりもまず。
今日はトッポに新作の香水を渡してもらうつもりやねんから。女の匂いなんかサッパリなくしてから顔合わせたいし。
化学製品を顔面に塗りたくった女より、化学には詳しいけど綺麗な素肌を持っているあいつのほうがずっとええ。
もっとも、ちゃんと触れたことなんかない。いつか俺のものにしたいと思う気持ちは、汚れた自分があんな無垢な存在に手を出していいはずがないというためらいに、邪魔をされる。
車から降り、見慣れた扉を開けると、嗅ぎ慣れた数種類のタバコの匂いがした。
得た情報を報告したら、さっさとひと風呂浴びてこよう。身体中を清めてからトッポの部屋に寄って、あとは存分に寝よう。
洗濯機を回して、自らは熱い湯を頭から被り、女の記憶を消していく。
全身を洗い終わり、さっさと身体を拭いて部屋着に着替えた。
.
160人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るーしー(プロフ) - ガムトポすごく萌えました😭最後の鈍感トッポが、可愛くて可愛くて可愛すぎます。。ピンチに駆けつけるガムもかっこよくて、最高でした😭素敵な小説をありがとうございます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page10 id: f4098d03e8 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - あかかめさん» ありがとうございます!私もヒロイン感あるしょうちゃんが好きです笑 この先もゆっくりではありますが頑張るのでよろしくお願いします!! (2017年9月5日 20時) (レス) id: e64daadfce (このIDを非表示/違反報告)
あかかめ - 今更ですが全シリーズ読ませて頂ました…!章ちゃん受け+受けが危ない感じになって助ける的なお話が大好きなので生き甲斐になってますwお忙しいでしょうが無理せず頑張って下さい!長文、乱文失礼しました。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: dd37e16602 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - とまころろさん» いつもありがとうございます!これからもなかなか書けない期間があると思いますが、たまーにでも覗きにきていただけたらと思います。これからもよろしくお願いします! (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - 青菜はやとさん» いつもありがとうございます。切甘は難しいです!笑 でも可愛いヤスくんは全作品に欠かさず書いていきたいです笑 (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年3月23日 22時