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安田side
僕が彼の後ろ姿を見送ってると、錦戸さんが隣に腰掛けてきた。
「…よかったやん、章ちゃんのファンってことやろ?」
「うん…!あかんほんまに嬉しい…」
僕が、もらったお金を眺めて呟くと、錦戸さんは自分のポケットを漁り出した。
「俺にも一枚」
「え、買うてくれるん!?」
「あたりまえやろ、CD作ってんの知らんかったわ。俺が最初に買うはずやったのに…」
悔しそうな錦戸さん。僕の1番のファンになってくれようとしてたんや…実質、ファン第一号は錦戸さんやけどね。
CDを受け取った錦戸さんは、ふと浮かない顔をする。
「…イケメンやったな、今のヤツ」
「え?ああ、そやねぇ」
「もしあいつと俺やったら、章ちゃんはどっち…」
言いかけて、ふっと口をつぐむ錦戸さん。え…?
いま。何を聞こうとしたん?
彼と、錦戸さんと、どっちが…?
「どっち、何?」
「な、なんでもない」
「えー!ちょ、気になるやん!」
「ええの!今のなし、恥ずかしいこと聞きそうになったわ!」
あ、また顔を覆って照れるクセ。
…「あいつと俺、どっちがイケメン?」かな。
…「あいつと俺、どっちを選ぶ?」やったりして。うわあ、どうしよう、もしそんなことを聞こうとしたんやとしたら…錦戸さんは、僕のこと…?
「章ちゃん?」
「あ、はい!」
「…なにニヤニヤしてるん…あいつのことそんな気に入った?」
錦戸さんは、口を尖らせ眉間にシワを寄せ、すねたような口調で言う。
「え?ちゃうよ!全然、そうゆうわけやなくて」
…ねぇ、錦戸さん。それってもしかして…
ヤキモチ、なん?
ああ、こんな甘い期待を持ってしまって、勘違いやったらどうしよう。でも、勘違いやなかったら、どうしよう。
熱くなっていく頰を抑えながらうつむくと、錦戸さんは何も言わずに、僕の髪を柔らかく触った。
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るーしー(プロフ) - ガムトポすごく萌えました😭最後の鈍感トッポが、可愛くて可愛くて可愛すぎます。。ピンチに駆けつけるガムもかっこよくて、最高でした😭素敵な小説をありがとうございます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page10 id: f4098d03e8 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - あかかめさん» ありがとうございます!私もヒロイン感あるしょうちゃんが好きです笑 この先もゆっくりではありますが頑張るのでよろしくお願いします!! (2017年9月5日 20時) (レス) id: e64daadfce (このIDを非表示/違反報告)
あかかめ - 今更ですが全シリーズ読ませて頂ました…!章ちゃん受け+受けが危ない感じになって助ける的なお話が大好きなので生き甲斐になってますwお忙しいでしょうが無理せず頑張って下さい!長文、乱文失礼しました。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: dd37e16602 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - とまころろさん» いつもありがとうございます!これからもなかなか書けない期間があると思いますが、たまーにでも覗きにきていただけたらと思います。これからもよろしくお願いします! (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
もち苺。(プロフ) - 青菜はやとさん» いつもありがとうございます。切甘は難しいです!笑 でも可愛いヤスくんは全作品に欠かさず書いていきたいです笑 (2017年7月13日 23時) (レス) id: 9309636f94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち苺。 | 作成日時:2017年3月23日 22時