やすくんと年下組 part11

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5 トッポside



ジョニーとこんなに、至近距離で見つめ合うのは初めてで。


その美貌に加え、まだ濡れている髪や襟からのぞく鎖骨は妙に色っぽい。




「初めは大して好きやなくても話せば好きになることがある、それはその通りやと思う。


でもさ、それこそ自然なことやねん。『恋せなあかん気がするからとりあえず女の子口説いてみる』っていうんは違うと思う」



ジョニーの手が、俺の後頭部に回された。さらりと髪を撫でられ…


こちらを見つめる熱い瞳は、いつもの仲間を見ている目と違っていた。



ヒュッと息が苦しくなるような感じがした。頰に血が集まっていく。なんや、この気持ち…？




「俺みたいな仕事や、ワンナイトの場合は適当なお世辞並べて口説き落とせばええかもしれんけど。本物の恋愛はそうやない。


相手のどこがどれだけ素敵か、伝えんねん。そんで、(どうか俺を少しでも意識してほしい)って思いながら、頑張る。

それがほんまに口説くってことやと、俺は思う」



ジョニーのまつげが揺れる。俺は彼の目をまっすぐ見た。吸い込まれそう。


「じゃあ…」


「恋のきっかけ作りに口説いてみるなんてやめてや。もっと自分の素直な気持ち大事にして。


…本気で好きになったらきっと、口説き方なんて自分で見つかる。ただ素直に相手を褒めればそれでええ」


正直、俺は驚いていた。


ジョニーの恋愛観がこんなにもまっすぐで、説得力があるなんて。やはり彼の仕事上、どこか恋愛には冷めた見方をしているものやと感じていたから。



「好きに…なれるかな」



答えを求めたわけではなく、自然と出てきた呟き。


焦らなくてもええんや。いつか、素直に好きになって、誰かを褒めたいと思う時が来るのかな。



「試してみる？」




ジョニーの低い声が、耳元で響いた。



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