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1人でこけて水溜りにダイブ、全身ずぶ濡れ。うわあ足痛っ!
ふらふら立ち上がって傘を持ち直し、歩き始めると、ズキンズキンと足首が疼いた。
これ…やってもうたかもしれんな。
(だいじょぶ?俺に掴まりや)
いつもみたいに隣におってくれたら、きっと彼は手を差し出してくれる。そーゆー優しいとこが、俺はずうっと好き。
こんな時でも亮のことを考えながら足を引きずり、かなり時間をかけてやっと自分のアパートに辿り着いた。
とりあえずまずは足よりも洗濯物や。もう手遅れかもしれへんけど。
ゆっくりとベランダまで歩いて行き、洗濯物に手をかける。水を吸って重くなっていて、ひねった足首に体重がかかるとかなり響いた。
いつもの倍の時間をかけ、なんとか最後のシャツを取り込もうとした時、バシャバシャとアパートの前の道から水飛沫の音がした。
下を覗いてみると、激しくなってきた雨に打たれて、傘をささずに走っている見慣れた姿。
「亮!」
声をかけたら上を向き、あ、ヤス!と手を振ってきた。かき上げた前髪が色っぽいのが、この距離からでもわかる。
「亮、雨宿りしてくー?風邪ひくで!」
「ほんま!?ちょ、お邪魔してええー?」
亮の家まではまだまだ遠いから、俺は深く考えもせず提案した。
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倉餅(プロフ) - とまころろさん» 初コメントありがとうございました!小説を誰かに見てもらうのは初めてだったので、とても嬉しいです!これからも更新がんばります。 (2016年7月8日 22時) (レス) id: f9b71d4474 (このIDを非表示/違反報告)
とまころろ - とても素敵です。更新楽しみにしてます! (2016年7月8日 20時) (レス) id: edaf8fd36c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち苺。 | 作成日時:2016年7月5日 2時