9 ページ31
.
「…着いた」
「このカッコ見られたくな…」
「ちょい、そのへん隠れとき」
アジトの前で降ろされた俺は、言われたとおり階段の下に身を潜めた。
チムニーはアジトに入り、部下が挨拶する声が聞こえる。
しばらく震えて待っていると、チムニーがまた出てきてこちらに来た。ボストンバッグに俺の着替え一式を入れて持ってきてくれたらしい。
「さん、きゅ」
寒い中着替えて、なんとか体裁を保つ。玄関に向かおうとしたら、足が猛烈に痛んでよろけた。
「あぶな。…足、やられたん？」
「だいじょぶや「ないやろ。意地っ張り」…うっ」
結局チムニーに背負われて家に入った。昨日までの俺なら屈辱に耐えられんかったやろけど、今日はなんだか悔しさが込み上げてこない。
部下「おかえりなさいませ！って、だいじょぶすかチェリーさん！？」
「足痛めただけや」
部下「手当しますよ」
「…」
足だけならええけど、いま全身を見られたら、何をされたかバレるよな…。
俺は返事をしたくなくて、チムニーの首に顔を埋めた。
背負われたまま部屋に行き、ベッドに降ろされた。チムニーはすぐに扉のほうを向き、
「…救急箱持ってくる」
と部屋を出て行った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
倉餅(プロフ) - とまころろさん» 初コメントありがとうございました！小説を誰かに見てもらうのは初めてだったので、とても嬉しいです！これからも更新がんばります。 (2016年7月8日 22時) (
レス) id: f9b71d4474 (このIDを非表示/違反報告)
とまころろ - とても素敵です。更新楽しみにしてます！ (2016年7月8日 20時) (レス) id: edaf8fd36c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もち苺。 | 作成日時：2016年7月5日 2時
