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「くそ、離せや！章ちゃんに触んなぁ！」
力づくでなんとか章ちゃんを「何か」から引き離して抱きしめる。ガタガタ震えて俺にしがみつく章ちゃんの肩越しに、その「何か」は見えた。
どこにでもいる若い男、でも身体は透けていて、目は虚ろ。明らかにこの世のものではないとわかった。
怖い、けど、章ちゃんを見つめる人形みたいな目を睨みつけて言った。
「どういうつもりか、知りませんけど、章ちゃんは俺のです…触らんでください…」
「…っ、マル…マル」
泣きながらぎゅっと抱きつく小さな相方。絶対に渡したくない。
霊の瞳は虚ろなまま、その眉が悲しそうに下がった。口を開いて聞こえた声は、
(守って)
す、といきなりそいつは姿を消した。さっきまで自分を覆っていた恐怖がふっと和らぐ。いなくなったか…。
俺は座ったまま、まだ震えている章ちゃんの髪を撫で、背中をぽんぽんして落ち着かせた。
「大丈夫、大丈夫やで」
落ちついてきた章ちゃんは、かくん、と俺に身を任せた。一瞬焦ったけど、寝てるだけみたい。霊の力なんか…？
章ちゃんを抱っこして立ち上がると、砂利を踏む音。袈裟を着た住職さんが小走りにこちらに近づいてきた。
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倉餅(プロフ) - とまころろさん» 初コメントありがとうございました！小説を誰かに見てもらうのは初めてだったので、とても嬉しいです！これからも更新がんばります。 (2016年7月8日 22時) (
レス) id: f9b71d4474 (このIDを非表示/違反報告)
とまころろ - とても素敵です。更新楽しみにしてます！ (2016年7月8日 20時) (レス) id: edaf8fd36c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もち苺。 | 作成日時：2016年7月5日 2時
