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たぶん、久しぶりに風邪を引いたんだ。朝起きて体の重さとゆらゆらする視界でそう理解した。一人暮らしのアパートに風邪薬やら冷えピタやら体温計なんてもちろんない。…私のズボラさのせいかもしれないけど
『みっちゃん、風邪ひいたよー』
今日休むねってメッセージと共に近況報告。『行こうか？』って優しい返事を丁寧にことわって、それからコートの隣に掛けてあるマフラーに目をやった。……あれはどうやって返そうか。
慎太郎かみっちゃんに頼んで、それからこっそりサークルをやめたらいい。北斗はきっと2人がいるからもう大丈夫。それでいい、熱っぽいおでこに手をやって。そのまま涙を拭う。
『何食べたい？』
なんて北斗からも慎太郎からも連絡がきてて、優しさにまた泣きそう。『大丈夫！』って2人にかえして、それからなんにも考えないように目を閉じた。昨日のも、今までのも全部夢ならいいかも、とか思っちゃうの全部久しぶりの風邪のせい。
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運のいいことにもうすぐ冬休みで、先輩と顔を合わせることは風邪をひいた翌日から全く無くなった。恒例になっていた水曜日に待ち合わせの場所でマフラーと一緒に待ってみたけど先輩はこなかった。マフラーはいまだに、返せずにいる。
「…忘年かーい」
「パス！(笑)」
笑って慎太郎の誘いを断って、ついでに「新年会も大丈夫！」って前もって伝える。だって私が言ったら大我先輩楽しくないでしょ、って思うし。
「Aー、実家帰るの？」
「あー…年末年始だけ帰るよ。クリスマスは…私あいてるよ？みっちゃん」
「彼氏とだから♡」
ひどいー！ってみっちゃんの腕を持って揺さぶると「こいつら空いてるよ！」って北斗と慎太郎の肩を叩いた。
「………まぁ否定できないけど」
「Aと過ごすとかやだ！可愛い子と過ごす！」
「……慎太郎、いるの？そんな子」
いないけど！って即答するから今年はきっと3人だ。…虚しい。軽口を叩きながらも、慎太郎は私を心配そうにみつめるし、北斗は無言でのど飴をくれた。
「クリスマス、なにしよっか」
そんな2人の心配に気付かないふりして笑うしか無かった。
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七七盛(プロフ) - 最後まで一気に読み上げました！沢山の登場人物がいるにも関わらずきちんと描写が伝わってとても読みやすく引き込まれました！出てくる人たちも一人一人キャラが立っていて…だからこそ辛いなぁと感じる展開もありましたが最後まで期待を持って読ませて頂きました！ (2022年2月8日 23時) (
レス) id: 3ec5ecab0a (このIDを非表示/違反報告)
KiiiiLA(プロフ) - 初めまして、ここにきてたいが先輩どーした！ ってくらい主人公ちゃんと一緒に胸をいためております(T_T) わたしはたいが先輩応援派だからよけいにだったんですが、ここにきてたいが先輩の気持ちが見えなくて苦しいです。 続き楽しみにしております！？ (2021年11月24日 13時) (レス) id: f5fdf1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月24日 0時
