1 ページ1
・
「北斗のことずっと好きだったよ。…でも、ちゃんと北斗の幸せを願ってた。隣にいるのが私じゃなくても、それでいいやって。」
「うん。わかってる」
「………吹っ切れたんだと思う」
ごめん、って謝ると「知ってたから平気…では無いけど大丈夫」っておどけたように笑った北斗。それでも手の震えで無理してるのはわかったけど、それには気づかないふりをした。たぶん、あの日の私ならそうして欲しかったと思うから。
「…本当にごめん。」
「私こそ、」「まって。謝るのやめて。抉られてるのよ(笑)」
苦笑いで、謝罪を遮られて。どんな顔していいか分からなくて北斗をみた。友達として、また、なんて。絶対私が言っていい言葉じゃない。
「……俺ね、友達いないのよ」
「うん。知ってる」
「即答で知ってる、はやめることできる?…だから話しかけてよ、頼むから」
そう言ってたぶん、無理して笑った北斗に「仕方ないからかまってあげるよ」っていつも通りのふりをする。安心した顔で北斗が笑ったからよかったんだ、って思いたい。
それからもう今日は講義いかない、ってサボる決心した北斗と少し早いお昼を食べた。久しぶりの2人の時間、会わない時間を埋めるように近況を話した。最近、ゲームにはまってるよ、4km歩いてる、なんていったら少し驚いて。
「たった5ヶ月会わないだけでそんなに変わるわけ?」
って笑った。どこかでした会話だ。私の場合はあの人の影響が大きい。思い浮かべた柔らかい色の金髪の先輩。
「……あー、やっぱ腹立つ」
「急になに。北斗、頭に大丈夫?」
「………なんっかあの人とはさ、馬が合わないの」
苦手、って急に誰かの悪口?そんな私の表情をみて、眉間の皺を深めて「……まぁ、俺が言えた義理じゃないけどね」って困ったような顔をする。
「とりあえず、やけ食い付き合ってね」
「少食のくせに…付き合ってあげるけどさ」
「うるせえ。慎太郎たちも呼ぼっか…まだ講義中か」
笑ってスマホをいじる北斗、…慎太郎にもみっちゃんにもちゃんと話したいな。それからたくさん助けてくれたあの人にも。
・
1752人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七七盛(プロフ) - 最後まで一気に読み上げました!沢山の登場人物がいるにも関わらずきちんと描写が伝わってとても読みやすく引き込まれました!出てくる人たちも一人一人キャラが立っていて…だからこそ辛いなぁと感じる展開もありましたが最後まで期待を持って読ませて頂きました! (2022年2月8日 23時) (レス) id: 3ec5ecab0a (このIDを非表示/違反報告)
KiiiiLA(プロフ) - 初めまして、ここにきてたいが先輩どーした! ってくらい主人公ちゃんと一緒に胸をいためております(T_T) わたしはたいが先輩応援派だからよけいにだったんですが、ここにきてたいが先輩の気持ちが見えなくて苦しいです。 続き楽しみにしております!? (2021年11月24日 13時) (レス) id: f5fdf1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まめこ | 作成日時:2021年11月24日 0時