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「まだ人混みすごい」



花火が終わってもすぐには立ち上がらずそう呟いた。つまりは、時間をあけて帰ろうってことらしい。……さっきまではよかった。花火の音と綺麗さで間が持っていたし。


「……なんかしゃべりますか?」


「話したいなら話せば」


「…先輩の趣味ってなんですか」


見合いかよ、って言われたけど悩んでくれてる。答えてくれるらしい。「最近はこれ」画面にはモンスター捕まえるゲーム。…意外すぎる


「大我先輩、ゲームとかするんですね」


「まぁ。1日に4km歩いて卵、孵しててるからね。ガチなやつ」


「ひえー。…なんですか、これ。色違いなんですか?」


そう。捕まえるまで歩き回ったから、って嬉しそうに話してる。スマホの画面を一緒にのぞきこんだまま、「この子はあんず」って愛犬の紹介までしてくれた。


「…Aは?」

「なにがですか?」

「好きな物とか、はまってることとか」



…悩む、けど本当になんにもない。夏休みはだらけてYouTubeなんてみてばかりだし。「……無趣味すぎてなんもないですね」って言ったら呆れた目をされた。ひどい。


「あ、でもこの前みっちゃんと美味しいパフェ食べましたよ!」


「…どれ」


スマホの写真フォルダに入ってる可愛いパフェの写真、それから道端に寝てた猫の写真。「こいつ可愛い」って先輩の反応がなんか嬉しくて、どんどん遡る。

「美味そう」

「あー…大学の近くのピザ屋さんです」

「ふーん」

北斗と、行ったところだ。向かいに座る見切れた骨ばった手をなぜか隠したくなってホームボタンを押した。


「………かえりますか?」


誤魔化すように促したら「貸せ」って。何かわからなくて首を傾げる。本当に大我先輩の言葉には主語がない

「なにをですか」

「Aのスマホ」

「……やですよ」


いいからよこせ、って強奪された。ご丁寧に私の指を使ってロックまで解除する始末。「なにしてるんですか?」って私の声は大我先輩に耳には届いてないみたい。もしくは無視。


「笑え」

「は?」

大我先輩の方を向いたらシャッター音。……今撮ったの?このひと。


「ちょ、大我先輩?」


今度はグイッと腕を掴まれて引き寄せられて、寄せ合うみたいに頬がくっついた。…何度もなるシャッター音。連写、何枚とってんだろ








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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね! (2021年11月21日 21時) (レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです!仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です!続きを楽しみにしてます! (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです!!!!!!日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐゙ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ | 作成日時:2021年11月4日 20時

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