無題2

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「返すわ」



まるで本当に物になった気分。繋がれてた手を離してあっさりとそう言われた。「はーい。確かに。早かったですね」なんてふざけたみっちゃんを無視して、人混みに紛れていった大我先輩。


「なんか面白いことあった？」

「なんもないよ(笑)なに、面白いことって」

「告白とか、ちゅーとか。それ系！」


絶対ないよ、今日もありえないって言われたし。そう返すとつまらなそうにするみっちゃん。射的に延々はしゃいでる慎太郎を横目でみて、それから「Aも嬉しそうだからありなのかと思ってた」


「まって…嬉しそうだった？わたし」


「んー。顔にはでてないけど、なんとなく！」


親友の勘！って笑うみっちゃん。当たらずも遠からずな気もする。安心？というか、なんだろ。いつもタイミングよく私を見つけてくれる大我先輩には助けられてる。


「Aー！みてみて！ほら！めっちゃ取れた！」


「すごいじゃん。…いくら使ったの？」


「それは聞かないで！」


あ、きっとアホみたいに使い込んだんだ。手にいっぱいのぬいぐるみやら小さいフィギュアやらがたくさん。「あ、これやる！」


「………なにこれ」


「しらね。」


犬だか猫だか分からないキャラクターを手渡されて、一応お礼を言う。なんだろこの子…可愛いけど。ズボンのポケットに変なキャラクターのフィギュアを入れたら、手にスマホが当たった。…先輩にお礼言わないと。


『再来週、駅に18時』

それだけ。もう担当者こと田中先輩にきいたのかな。さっき別れたばかりなのに。


「みっちゃん、再来週ってどっかで花火大会とかある？」


「えー…なんで？行くの？」


「うん。行くみたい(笑)」


みたい、ってなに。誰と？って質問責め。「大我先輩と、行くのかな」そう答えたら2人ともぽかん。一呼吸置いて、



「え！なんで！」


「…慰めてる、らしいよ」


「なにそれ！絶対京本先輩、Aのこと好きじゃん！えー！面白い！それ！」


やけに嬉しそうなみっちゃんと浮かない顔した慎太郎。私の顔をじっと見つめる。さっきの射的のテンションどうしたの。


「……慎太郎？お腹でも痛い？」


「……A、あのさ」


「うん」


「………なんでもなーい！楽しんでこいよ！」



すごい強さで背中叩かれた。変な慎太郎、













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