23 ページ25
･
結局脅かし役の私と高地先輩、全敗だった。最後はもう開き直って「気をつけてくださいね！」って手を振ってたし、職務放棄だ。
「はいじゃあ花火ここ！打ち上げと手持ちね、バケツここ！ゴミ絶対すてんな！！」
脅かし役の私たちが戻って「はい！コーチ達の花火！」ってなんか細々した花火たちを渡された。ヘビ花火とか久しぶりにみた。
「Aー！お化けおつかれー！全然怖くなかったけど！」
「……ロケット花火打ち込むよ、」
「嘘じゃん！あ、みて。パラシュートやろパラシュート！」
打ち上げと共にパラシュート出るやつ。ごみ捨てんなって田中先輩いってたし、絶対みつけなきゃじゃん。これ。慎太郎が火をつけて、「はなれてー！」って声でさって離れる。飛んでいった花火を見送って、赤色の花が開いてすぐにヒラヒラとまうパラシュート。
「そっちだ！はしれ！A！」
「え！うそ！」
慎太郎の声を聞いて上向きながら走る。自慢じゃないけど、走るの遅いの。わたし。足場砂だし、余計遅い。
「え、どこどこ！」
「……あ、A！大丈夫かー？」
こけた。砂に足取られて、盛大に。遠くで慎太郎の爆笑が聞こえる。膝と手のひら痛い、って思ってたら「鈍臭い」って一言言われて立ち上がらされた。
「……パラシュート見失いました」
「朝みつけるだろ、こーちが。」
それはそれで申し訳ない気がする。小さい子にするみたいに私の膝の砂を払い落として、手のひらをぱんぱんってやる大我先輩。
「あの変なの禁止。お前まともに走れないだろ」
「……大我先輩には負けますよ」
「ほんっと。可愛くない、お前」
憎まれ口を叩きながらも「痛くないの、あんな盛大にこけて」って心配してくれるから、悪口を言われても以前よりむかつかない。これでもやれ、って小さい子がするみたいな花火セット渡された。魔法少女の絵が書いてあるやつ。
そこまで子どもじゃない、ってジト目で先輩みてたら「ほら、どれやんの？」って優しく言われて。仕方なくそのセットの中からひとつ取り出して火をつけてもらった。
ぱちぱちと上がる火花。綺麗って思うと同時にすぐ終わる。多分手元に火が来ないようになってるんだろうな、小さい子向けだもん。
「次」
「……大我先輩もやりましょ」
2人で子供向けのすぐ終わる花火やるの、シュールでちょっと笑える。「何笑ってんの、A」って。大我先輩も笑ってるじゃないですか
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1693人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね！ (2021年11月21日 21時) (
レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです！仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです！！！！！！日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐ﾞ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
