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どうしたらいいかわからない。無理やり手を振り解けばいいのかもしれない、けど。私にはそれが出来なかった。無言で手を握られて、進むことも戻ることもできない。
「……スイカ、割るから」
肩で息をしながら多分、探しに来てくれた先輩。なんでもないみたいな顔して、汗ダラダラかいてるくせにパーカー着たまま。チラって北斗をみて、「A、いくよ」って私に手を差し伸べた。その手を取って「……北斗、はなして」ってもう一度同じ言葉を繰り返した。
「………A、でも俺」
「終わってんだろ、話なんて。こいつじゃなくて大事な幼馴染選んだってだけじゃん」
直ぐに離れた北斗の手。大我先輩のやけに刺々しい言葉。なんて重い空気なんだろ、ってどこか他人事みたいに振り返ることもないままサークルのテントに向かって歩いていく。
「あっつ。」って一言呟いて着ていたパーカーを脱ぐ先輩。1度離れた手なのに、わざわざもう一度繋いでくれた。何も言わずに繋ぎ直した手を見ながら、ヘラヘラと笑った。
「……また、抉られました」
「悪かったな。…でも事実だろ」
「…いつも助けてくれますね」
助けてるつもりは無い、お前もあいつもむかつくから。ってまた悪口。むかつきますよね、ほんと。うじうじしてる私もむかつきますもん
瞬きしたら、もうだめだった。泣かないように我慢してたのに。次から次へと出てくるし、泣きたくないのに止まらない。
「……泣くなって。やっぱ泣き虫じゃん」
「泣くような時にくる先輩が、」
悪いですって言いたかった。けど、言葉が続かない。なんで抱き締められてるんだろ、わたし。そんなキャラじゃないじゃないですか、先輩。
「……びっくりすると涙が止まるんだって」
止まった？って体を離されて顔をじっとみつめられる。「とまってますか？」逆に聞き返した、だって。なんでこの人私をだきしめたの、とか。なんでそんなに優しい目でみるの、とか。頭がパニックなんだもん。
「…とまった」
ふ、って笑ってもう一度抱き締められた。とまったのに？って思わず私も笑った。
「スイカ、あいつの頭だと思って割れば」
「……ブラックすぎますよ、それ」
くだらない会話をしながらみんなのところに戻る。多くは語らない大我先輩の優しさにすごく、助けられてるって未だに繋がれてる手を見て思った
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Nappy(プロフ) - 素敵な作品ですね！ (2021年11月21日 21時) (
レス) id: 6b7a5f4d24 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - いけない時間から1を読み始めたら深夜を過ぎて一気読みです！仕事かうまくできるか不安でしたが、感情を揺さぶられて、涙するお話が読めたので、心は満足です！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月18日 1時) (レス) id: d4e3c92b39 (このIDを非表示/違反報告)
やん - 沢山更新嬉しいです！！！！！！日々の楽しみです^ ^ (2021年11月8日 0時) (レス) @page25 id: a4d97af994 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - このお話の京本くん好き過ぎます。どのお話も大好きです。更新頑張ってください⚐ﾞ (2021年11月7日 21時) (レス) @page20 id: 2b37390e07 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - だめだ。あまりにも好きすぎる。 (2021年11月7日 19時) (レス) @page20 id: 5f27ff9118 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月4日 20時
