21 ページ21
・
それから黙々とアイスを食べ終え、お茶まで要求してきた先輩。いつ帰るんだろ、と思っているとまたチャイム。しかも連打。今度こそ確実に慎太郎だ
「うるさいよ!ばかなの?」
「バカって言われちゃった♡」
「先輩に馬鹿だなんて失礼だぞー!」
まさかの田中先輩。その後ろからニヤニヤと慎太郎が顔を出した。顔の横にコンビニの袋を掲げて「おじゃましまーす!」ってズカズカ入り込んでくる
「あ、Aちゃーん。うちのきょもがお邪魔してるよね?ごめんね」
「いや!こちらこそご迷惑をおかけしました…京本先輩、お迎え来ましたよー」
京本先輩を引き取ってくれるもんだと思ったのに、田中先輩まで部屋に入って座るものだから「帰ってほしい」っていうタイミングを完全に逃した。テーブルの上にお菓子やらお酒やらジュースまで並べ始める
「慎太郎とAちゃんはジュースねー」
「あ、すみません。ありがとうございます…」
ジュースまでもらっちゃった。なんだこれ。慎太郎は笑顔で「樹先輩が買ってくれた!」って駄菓子みせびらかしてくるし、京本先輩も田中先輩もお酒の缶を開けてる
「……え、先輩たち帰らないんですか?」
「えへへ♡これもあげるね」
さっき食べてたのと同じアイスを手渡され理解した。時計はもう深夜、といわれる時間。たぶん、終電がなくなったんだ
「お前のこと送ったせいなんだけど。文句あんの?」
京本先輩の当たり前だろ、って言葉を受けて断れなくなった。顔怖い
「Aちゃんありがとー♡きょもにもアイス買ってもらったの?」
「…はい。慰謝料ですね」
「は?人の優しさをそんな風に言うんだ」
京本先輩の拳が私の頭をバウンドしてる。痛くない、痛くないけどうざい。トドメを刺したのはこの人だ
「アイス返せ、吐き出せ」
真顔でいうものだから、怖い。「きょもきょも、Aちゃんの頭ヘコむからやめようね」ってこれまた怖い言葉で止めてくれた
「あ、北斗から連絡きた?」
思い出したように北斗の名前をだされて驚く。連絡どころか、アパートまできてくれた北斗。Aが具合悪くて帰ったっていったら、質問攻めよ。って。
「桜庭ちゃんのことも最寄り駅まで送ってすぐこっち戻ってきたらしくてさ。逆に悪かったよなー」
なんだそれ。それが本当なら私最低だ。少し、嬉しいんだもん
「……やめんだもんね?」
真顔で言われた。やめた、はずです。たぶん
・
1680人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっとる - 初めてコメントします!まめこさんの作品が大好きでどれも何度も読み返しています♪中でも今回の無題とーーっても好きです!1日に何回も更新されてないかな?と覗きにきては読み返してます☺︎更新楽しみにしてます!応援してます♪ (2021年11月4日 18時) (レス) id: cbd38ba105 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - 初めてコメントします!凄く面白いです!ニヤニヤしてしまいましたー^^今後の展開が気になりすぎるっ!!!更新楽しみにしております!作者様のペースで頑張って下さい!応援しております (2021年10月1日 0時) (レス) @page15 id: 8a3780e77b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まめこ | 作成日時:2021年8月22日 14時