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北斗は桜庭ちゃんの手を引いて帰って行った。…前までは「危ないから。俺が気になるから」って私を送ってくれた北斗はもういない。自分で自分を追い込むみたいに嫌な想像をして少しだけ涙がでそうになる
「……おい、ブスな顔してんな。」
誤魔化すみたいに甘いジュースを飲んでいると、またブスって罵られた。なんて先輩なんだろう、本当にむかつく人だ
「………後輩いじめやめてください、よ」
「どこがいいの？」
なに、とも誰、とも言わない質問。真っ赤なお酒の入ったグラスを傾ける先輩。「不器用で優しいんです」そう一言だけ呟いた。「望みなさそうなのにね」って残酷なことを綺麗な
顔でサラリと言われる。望みがない、なんてわかりきってることを言われたら誤魔化したはずのものがまた顔を出す
「……そんなの言われなくてもわかってますよ。」
「え、お前なに」
泣いてんの、って言われて泣いてることに気づいた。京本先輩珍しく焦った顔をして、それから田中先輩に「こいつ体調悪いみたいだから送ってくる」って早口で言って私の手をとって店を出る
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私の鞄もスプリングコートも全部持ってくれてる京本先輩はたまに「Aん家ってこっち？右？」って確認して。後は無言で私の手を引いていた
「………悪かった」
「………謝れるんですね、先輩」
罰が悪そうに予想外の言葉を言う先輩。我ながら可愛げのない返答だ。
「まじで可愛くない、お前。…泣くのは卑怯だろ」
「泣くつもりはなかったんですけど、…ダメージの蓄積がやばくて。」
京本先輩、ではなくて北斗からの。って意味で言ったんだけど、どうやら違う意味で捉えたらしい。もう一度「お前、なんでもないみたいな顔してたから、…ごめんって」とギリギリ謝罪らしい謝罪をされる。
「…北斗からの、です。先輩には傷を抉られただけで」
「なら余計にやな奴じゃん。俺。」
あぁ…と否定でも肯定でもない返事をすると、「甘いの食う？」ってコンビニを指さされた。どうやら先輩なりに罪悪感、というものを感じているらしい
「……奢りですか？」
「まぁ。…いるの？いらないの？」
「高いアイス買いますね」
好きにすれば、と安心したように笑われる。むかつく先輩でも女の子の涙には弱いらしい。ごでぃばの高いやつを手にふたつ持って京本先輩に突き出す。
「……今回だけな」
むかつく先輩に奢ってもらったアイスは格別だ
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らっとる - 初めてコメントします！まめこさんの作品が大好きでどれも何度も読み返しています♪中でも今回の無題とーーっても好きです！1日に何回も更新されてないかな?と覗きにきては読み返してます☺︎更新楽しみにしてます！応援してます♪ (2021年11月4日 18時) (
レス) id: cbd38ba105 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - 初めてコメントします！凄く面白いです！ニヤニヤしてしまいましたー＾＾今後の展開が気になりすぎるっ！！！更新楽しみにしております！作者様のペースで頑張って下さい！応援しております (2021年10月1日 0時) (レス) @page15 id: 8a3780e77b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年8月22日 14時
