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田中くんからは毎日メッセージがきていて、ポップコーン食べに行こ!と誘われたのが映画だとは思わず。今日呆れた顔で田中くんは映画館の前で待っていた
「Aちゃんさー、ポップコーン屋さんなんてなくね?どこにあんのよ」
「……普通に映画って言えばいいのに」
これは確実に私は間違っていない。みっちゃんにも「ポップコーン屋さんできたの?」なんて聞いてしまったし。
「はい。チケット!無くさないでね」
「あ、ありがとう。チケット代」
ちょうどある!とお金を手渡そうとするのに、受け取って貰えない。「俺から誘ったし」そんな言葉を年下の男の子からきいて、素直に飲み込めるわけがない
「………だめだよ。田中くん。はい。」
「…もー。そんなところは頑固なんだね。Aちゃん」
自分でも少し不思議。田中くんにはわりとはっきり物が言えるのだから
「じゃあポップコーンたべよっか」
「て、繋がなくてもいいよ…離して」
そんなの今更じゃん、と笑ってブンブンと手を振って歩く田中くん。ドキドキ、より幼くて可愛く見える
「…保護者の気分かもしれない」
「……俺の方がね?」
いじけたように離される手にほっとする。緊張、はしなくても焦りはする。それが表情にでていたみたいで
「そんなにあからさまによかったーって顔しないでくれる?ばーか」
「…………ごめん?」
スタスタと売店に行き、ポップコーンにリンゴとオレンジのジュースを買う田中くん。慌てて財布をだしたのに、今度はまるっと無視されてしまった
「た、たなかくん?」
「………この前の通話も、なんでジェシーがでたの」
「あー…流れ、かな?」
たぶん、流れ、だとおもう。森本くんが面白がって、それにのったのがルイスくんだっただけ。
私の答えに納得がいかないようで、険しい顔で。…本当にこの子は年下なのかな。迫力がすごい、よ
「顔…険しい、よ。」
「そんなにジェシーのことすき?」
………一瞬何言ってるのかわからなかった。何でそこにルイスくん?すき、とはlikeなのかloveなのか。そもそも、そんなにすきってなに。頭ではたくさん考えてるのに言葉にできない
「うわ。焦ってるでしょ、顔おもしろいよ」
「…人間として好き、ですよ」
やっと捻り出した答えに興味なさげに「ふーん」って言われた。なんなんだろう、この子
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まめこ(プロフ) - ゆーしいさん» いつもコメントありがとうございます(^^)!ぜひお時間ある時にお願い致しますー! (2021年8月23日 19時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーしい(プロフ) - ドキドキしながら読んでます!きゅんきゅんします!また読みにきます〜! (2021年8月23日 10時) (レス) id: 3150e2c301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2021年7月26日 19時