35m ページ35
･
「ほ、北斗先輩？いますかー？」
「…………」
中まで入って行くと、本を読む北斗先輩。いるじゃないですか！無視ですか！と声をかけても無視。めげない！
「…北斗先輩。私めちゃくちゃ強いんですよ？」
「………なにそれ」
「誰になんて言われても、毎日学校これます！北斗先輩がいるから」
じっと私をみつめる北斗先輩。ふって鼻で笑った。ちょっとだけ雰囲気が怖い、けど負けたらダメだ！
「…樹でしょ。」
「…なにがですかっ？」
「そんな昔の話、関係ないよ。ただ君と関わるの面倒くさくなっただけだから。」
だから早く出ていって。とまた本に目を落とす先輩。この前、迷惑じゃないって。言ってくれたのになと、やっぱり悲しくなってしまう
「…私とその人は違いますよ」
「…だから関係ないって。しつこい」
先輩の声はイライラしていて、冷たくきこえた。もう。悲しいを通り越してむかつきますよ、せんぱい
「関係ない、のはこっちですよ。先輩の前好きだった人がとか。そんなの関係ないです」
「ほんっと、しつこい。でてかないなら俺が出てくから。もう近寄ってこないで」
勢いに任せてつい強めの口調で言ってしまう。北斗先輩の近寄ってこないで、は効果ばつぐんに涙腺を刺激する。泣いたらまけ、だ。
「私じゃない人の話で…なんで勝手に決めつけちゃうんですか？私は、何ｍでも、北斗先輩に挨拶ができたら幸せでした」
「無視されても、ちらってこっちを見てくれる先輩が好きでした。遠くても、返事がなくても、私の話を聞いてくれる先輩が好きでした」
「…でも、それが先輩にとって過去を思い出して迷惑っていうならもうやめます」
私の大好きな先輩に迷惑だけはかけたくなかった、のに。今こんなに苦しい顔をさせてるのは私の言動なのだろう。ああ、もうだめだ。涙の表面張力も限界だ
「…今まですみませんでした。もう大丈夫です。穏やかな時間を過ごしてくださいね。松村先輩」
松村先輩はなんにも言わないで俯いていて。ああ。おしまいなのかな、って何となく思う。
だいぶ前、距離が5mだったときの呼び名に戻したのは私の最後の意地だった
･
北斗先輩との距離
たぶんもう近付けない
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YUUKI(プロフ) - この小説をもう何回も読んでる者です！！本当に面白くて幸せな運命で、こちらまで嬉しくなります！最高の小説なのでこれからもたくさん読ませていただきます！！ (2023年3月27日 8時) (
レス) @page50 id: 856434f156 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 続編みたいです！ (2021年12月13日 7時) (レス) @page50 id: d885f834a6 (このIDを非表示/違反報告)
pupi(プロフ) - 一気に読みました。久しぶりにぼろぼろ泣きました(；；)他作品も読ませていただきます！ (2021年8月6日 3時) (レス) id: 019254c1d1 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - うおおおお感情移入しちゃってlastらへんで泣いちゃいました………………………これからの更新も楽しみにしています……！！ (2021年7月25日 2時) (レス) id: 90ad8ea26a (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - まめこさん» わ！！嬉しいです…！！ありがとうございます(*^^*)これからの作品も楽しみにしてます！！ (2021年7月23日 21時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年7月4日 21時
