田中くんの彼女になる方法

19 ページ19

･









「なー、Aー。合コン組んで、合コン」





「やだよー。翔太が友だちとか恥だよ、恥」




「お前…俺の事傷つかない人間だとでも思ってる…？」







わざとらしくいじける翔太。なんでこいつ顔はいいのにモテないんだろ。







「翔太なんかおかしな趣味とかあんの？」




「は？何言ってんのお前」




「顔はかっこいいのに、モテないのって中身がやばいからじゃん。なに？言ってみ…？」







どんなにヤバくても友だちだよ？私たち…といえば頭を叩かれる。こいつ…さては殴って興奮するタイプか…






「ちっげぇよ！ばか！お前だけだよ！変態なのは！」





「翔太と一緒にしないでーうざーい」





「え、てかさ。お前俺の事かっこいいって思うの？」






そこ拾うなよ。一般的にみて、の話だよと言ってるのに嬉しそうな翔太。うわ…うざ…







「いやー。Aもわかってるね！確かに俺はイケメンよね。うんうん」







調子にのりまくりだ。あ、田中くんだ。きょうもかっこいいなあ…







「しょっぴーとAちゃーん。次講義一緒でしょ？いこいこー」




「いくいく！どこまでもいきます…」








田中くんとなら地の果てまでもいくよね、うん








「樹ー！聞いて聞いて。Aが俺の事かっこいいって！」





「え、なにAちゃん。また浮気？」





「た、たなかくん…私は一途で有名な女だよ…？」




「いやでも、かっこいいって言ったもんね。」






「一般的に！ってはなしね。誇張すんのやめなよ…だーから、モテないんだ。翔太は。」






しつこい翔太…だからこいつはうざいんだ。








嬉しそうな翔太に少し考え込んだ様子の田中くん。え、なに？翔太が不快？








「しょっぴーしょっぴー！」







「なに？樹、ちょっと悔しいんだろ！」






「俺はだいすきです！で、しょっぴーはうざい、だからね。」







「はあ？なにそれ…」






「Aちゃんの評価。俺調べ。しょっぴー、うざい、だからね？」





「…苦しい」






「どんまいどんまい！ほらいくよー」







本当に苦しそうに胸を教える翔太の肩を叩いて歩き出す田中くん。







「てかAむかつく。うざい、とか言ってんじゃねーよ！」





「…うざいよ」




「ねえ、ほんとに苦しいって…」









墓穴ほるなよ、と意地悪な顔するたなかくん。どんぶり飯3杯いける…









･

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す