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全く聞き耳を持ってない友達、食べ終わったお弁当箱を包んで机の横にかけた。騙されてる、なんて言ったけど高校でのあいつは確かに評判がいい。誰にでも優しくて先輩からも後輩からも好かれてる、と思う。ガキ大将だった昔の姿はすっかりなりを潜めて、ただの明るい好青年なんだもん。
「……むかついてきた。ジュース買いに行こ」
「やだよーっだ。あ、でも私も飲みたい。買ってきてよーAー」
「パシリじゃんか！一緒にいこ？ね？」
「もー、仕方ないな。」
だるそうに体を起こして自販機に向かう。1階の渡り廊下、たまーに中庭でご飯食べてるグループの中にいるあいつ。会いたくないからキョロキョロと周りを見渡してさっと駆け抜けるのがここを通る時の私のルールだ。…会ってもお互い睨み合うだけなんだけど、それすらむかつく。明るい好青年とやらを私にもやってみろよ、とか思うじゃん。
「ちょ、A！危ないって」
周りを見渡して早歩き、なんてしなきゃ良かった。前から来る人見てなくて肩にドンって衝撃。
「すみません！………あ」
「………いてーよ。」
謝り損だ。森本じゃん。また眉間にしわ寄せて睨まれ、こっちも負けじと睨んでやる。むしろ私の肩の方が絶対重症。痛いもん。肩を擦りながらまだこちらを睨んでいる森本を無視して、自販機へ。
「あ、森本くんばいばーい」
にこにこと私の隣であいつに手を振る友達。ちら、と振り返ってみたあいつは優しい顔で笑ってた。なんだその顔。私にはゴリラみたいに険しい顔しかしないくせに。
「やっぱり森本くんかっこいーわ」
「……どこが？！」
いちごミルクのボタンを押して、信じられない友達の発言に驚いた。みたでしょ？あのゴリラみたいな顔！と否定する。
「ぜんぜん！笑ってたじゃん」
「睨んでたよ？」
「昔からあんな感じなの？あんたと森本くん」
「いや、昔はむしろ…仲良かったのかな？」
「幼なじみ的なやつ？えー。ラブコメかよ」
こんなドキドキしないラブコメなくない？会う度にブスって言われて睨まれてるんだから恋心なんて芽生える暇もなく、ムカつく奴リスト行きになったよ。…たぶん、森本にとっても、なんだろうけど。
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たろたろ - もう殿堂入りのお話です！大好きすぎる、、 (2023年3月11日 9時) (
レス) @page24 id: 2b642d3f07 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - KaNaaaaさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！きゅんが提供できたなら私もうれしいです…( ¨̮ )♡ (2022年3月11日 19時) (レス) id: d8cb6056f0 (このIDを非表示/違反報告)
KaNaaaa(プロフ) - 何回読んでも毎回キュンキュンします！ (2022年3月8日 0時) (レス) @page24 id: 0ab49d4c18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2022年1月30日 11時
