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「きたー」
「……昨日無視したAちゃんじゃん。」
「仕方ないじゃん。北斗と楽しく飲んでたんだから」
「ふーん。俺より北斗なわけね」
珍しくいじけてる樹に苦笑いしつつ、「まぁ、北斗は優しいからね」なんて肯定の言葉を返した。酔いつぶれた友達送ってくれるんだから本物だよ、あいつ。不機嫌そうな樹は私を呼びつけたくせに、スマホから目を離さない。…なんで呼んだの、こいつ。
「じゅり？今日はなんかすんの？また桃鉄？」
「しらね。…用無かったら呼んじゃだめなわけ？」
「……はいはい。ご飯食べた？」
「腹減ってないし。……ラーメンなら食えるけど」
なんだそれ。仕方なく「なら一緒に食べよ。何味？」なんて大人な返しをできた私を褒めて欲しい。ちら、と私の顔を見てまるで仕方ない、とでも言うように笑った樹。小さい子どもを相手にしてるみたいだ。
「みそ！俺ん家なんもねーから、買いいこ」
「……え、つくんの？」
「家で食いたいの。ほら、行くよ」
機嫌を直した樹はコートを羽織ってすぐに玄関に向かう。さっきまで拗ねてたくせに。現金なやつ。すぐに追いかけて玄関に向かうとするりと手を繋がれた。
「……何入れる？」
「もやしとひき肉と…キャベツ」
「絶対食べに行った方が早いじゃん！」
繋がれた手を気にしないようにどうでもいい会話をする。別に手を繋ぐことなんて初めてじゃない。ただ、このアパートの中だけの話だ。外でこんな風に身体を寄せ合って歩くなんて、まるで。
「……今俺らカップルにみえてんのかな」
「そうだろうね。…手とかなに。」
「べつに。さみーじゃん」
寒いならポッケに手入れた方がよくない？とかあんたの家に手袋転がってたじゃん、とか離そうと思えばいくらでもそう出来たはず。でも離したくなくて、「寒いね」なんてくそつまらないことしか言えなかった。スーパー、まだ付かないといいな、なんて乙女みたいなこと考えて。
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かん(プロフ) - はじめまして。クズでもどこかきゅんきゅんしまくりでした笑 (2022年3月25日 15時) (
レス) id: 08214fe36c (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - mi.さん» 返信が遅くなってすみません！そう言っていただけて嬉しいです(;_;)！嬉しいお言葉ありがとうございました！ (2022年3月11日 13時) (レス) id: d8cb6056f0 (このIDを非表示/違反報告)
mi.(プロフ) - まめこさんのお話すっごく面白いです…！何度も読み返していたので、49話読み終えて涙が止まりません(；；)最後までお話楽しみにしてます。 (2022年3月2日 23時) (レス) @page49 id: f783054b71 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - 甘さ控えめ太郎さん» はじめまして！私もcaramel読ませていただいております…！リアルな大学生感と切ない関係性、たまらなく大好きです🥺私も酔っ払った🐻さんに呼び出されたい人生でした… (2022年2月5日 7時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - Nappyさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🙇♀️励みになります…！完結までお付き合いいただけたら有難いです…！ (2022年2月5日 7時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ
| 作成日時：2021年11月29日 1時
