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26 (Recollection) ページ26








私もやっと田中くんから樹って呼ぶようになって、その頃にはもう4人とも酔っ払っいだった。慎太郎につられて飲みすぎたレモン酎ハイのせい。絶対。

「そろそろ帰ろーぜー」

慎太郎が伸びするように席を立って、それに続いて樹も北斗も席を立った。私もついて行こうとして、足がもつれた。

「飲みすぎだって」

「……ありがと、ほくと」

「そんなに強くないんだから慎太郎のペースに合わせないの、わかった?」

「ママ?」

酔っ払っいうるさい、ってそのまま私の手を引いて店の外へ。大丈夫だよ、っていってんのに。


「なに、A酔ってんの?俺の勝ちだな」

「はあ?まだ飲めるし」


煽られたからもう1軒いこ、って言いかけた私の頭を叩いて帰るように促される。本当に北斗は私の保護者なのかもしれない。大人しく従って後ろをついていく。


「じゃーな。」

「ばいばい、慎太郎、樹ー」

2人と別れて、夏特有のじめじめした空気の中を手を引かれたまま歩く。歩くうちに少しずつ酔いも冷めてくるし、「もう大丈夫なんですけど」って声をかけても呆れたようにため息をつかれるだけ。そんな残念なものを見る目でみないでほしい。

「……北斗って私の事5歳児かなんかと思ってない?」

「それこそ子どもの方が素直で扱いやすいだろうね」

「ええ…。樹と楽しそうに話してたね」

「楽しい話題ではなかったけど。…まぁハッキリしてて嫌いではない」

北斗の嫌いじゃないは好き、って意味だ。よかったな。人見知りな北斗も楽しめてたみたいで。


「……友達としては良い奴、だけどさ」

「うん。…樹のこと言ってる?」

「あいつのこと好きになる子は辛いだろうね、」




まぁ、たしかに。あんなに周りに溶け込む天才みたいな彼氏やだろうな。わたしには関係ないけど。律儀にアパートの前まで送ってくれた北斗に何度もお礼を言って部屋に入る。すぐにエアコンをつけてベッドに飛び込んだ。枕元に投げ捨てたスマホには『また遊ぼーね』ってメッセージ。ほんと、こんな女にまで優しくするなんて。大変だな、樹





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かん(プロフ) - はじめまして。クズでもどこかきゅんきゅんしまくりでした笑 (2022年3月25日 15時) (レス) id: 08214fe36c (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - mi.さん» 返信が遅くなってすみません!そう言っていただけて嬉しいです(;_;)!嬉しいお言葉ありがとうございました! (2022年3月11日 13時) (レス) id: d8cb6056f0 (このIDを非表示/違反報告)
mi.(プロフ) - まめこさんのお話すっごく面白いです…!何度も読み返していたので、49話読み終えて涙が止まりません(;;)最後までお話楽しみにしてます。 (2022年3月2日 23時) (レス) @page49 id: f783054b71 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - 甘さ控えめ太郎さん» はじめまして!私もcaramel読ませていただいております…!リアルな大学生感と切ない関係性、たまらなく大好きです🥺私も酔っ払った🐻さんに呼び出されたい人生でした… (2022年2月5日 7時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - Nappyさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🙇‍♀️励みになります…!完結までお付き合いいただけたら有難いです…! (2022年2月5日 7時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ | 作成日時:2021年11月29日 1時

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