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「……俺お前らがそんななの見たくないんだけど」
真剣な声に流石に胸が痛むけど、2年だよ。2年。いまさら止められないんだって。無視を一時中断して、自分のことみたいに暗い顔する北斗の肩を組む
「北斗がそんな顔しないでよー!私が好きで会いに行ってるんだよ?…そういうのは、してないしさ。」
「……してた方がまだいいだろ。そんなよくわかんねー関係でA辛くないの?」
「けっこう酷いこといってるよ、北斗」
「酷いこと言われてもわかんねーんだから仕方ないだろ」
まぁ、確かに。我ながら馬鹿だとはおもうけど。入店音が鳴って会話は終了。北斗はまだなにか言いたげだったけど、気付かないふりしてにげた
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「おつかれ、…帰るでしょ?」
バイトが終わって制服ぬいで、スマホを触ってたら暗に帰るように促される。外寒いし、ついだらだらしちゃう。
「……今日は?」
「あー。今日は私の番じゃないみたいよ」
「そういうの笑えないよ、俺」
別に北斗に笑ってもらわなくてもいいし、なんて心の中で毒づいて曖昧に笑う。「途中まで送るから、帰ろ」なんて紳士的な北斗みたいな人を好きになれたらいいんだろうね、きっと。
「北斗の彼女になる子がうらやましいよ」
「……じゃあなる?」
「そういうの笑えないよ(笑)」
「笑わせようと思ってないけど。1回離れたらみえてくるものもあるよ」
Aは盲目的すぎる、見てるこっちが疲れる。なんて辛辣なことを言われた。そのひとつ前の提案の衝撃がとんでったよ。…北斗も冗談とか言うんだ
「………別に樹じゃなきゃダメってわけじゃないよ」
強がり、とかじゃない。だからそんな理解不能、みたいな顔しないでほしい。北斗は黙って私を見てまたため息をつく
「まぁさ、卒業までだよ。そしたらもう終わりだよ」
「辛くなったら俺でも慎太郎でも良いから吐き出せよ。…多分呆れて説教するだけだと思うけど」
「なにそれ。…ありがと。でも好きでやってるからね」
貴重な大学生活を、なんて責任を押し付けることはしたくない。好きでやってる、本当に言葉の通りだもん
「昨日はね、すごいぐろい映画見たの」
「趣味わる…。」
心底嫌そうにしながら、さりげなく私の腕を引いて自転車が来たことを知らせてくれる。「前見なさいよ」って。お母さんみたい
当たり前みたいに私をアパートの近くまで送ってくれて、またバイトでって帰る北斗はやっぱり良い奴だと思う
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かん(プロフ) - はじめまして。クズでもどこかきゅんきゅんしまくりでした笑 (2022年3月25日 15時) (レス) id: 08214fe36c (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - mi.さん» 返信が遅くなってすみません!そう言っていただけて嬉しいです(;_;)!嬉しいお言葉ありがとうございました! (2022年3月11日 13時) (レス) id: d8cb6056f0 (このIDを非表示/違反報告)
mi.(プロフ) - まめこさんのお話すっごく面白いです…!何度も読み返していたので、49話読み終えて涙が止まりません(;;)最後までお話楽しみにしてます。 (2022年3月2日 23時) (レス) @page49 id: f783054b71 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - 甘さ控えめ太郎さん» はじめまして!私もcaramel読ませていただいております…!リアルな大学生感と切ない関係性、たまらなく大好きです🥺私も酔っ払った🐻さんに呼び出されたい人生でした… (2022年2月5日 7時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - Nappyさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🙇♀️励みになります…!完結までお付き合いいただけたら有難いです…! (2022年2月5日 7時) (レス) id: 08ec96d6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2021年11月29日 1時