年下彼氏(ren.m) ページ5
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「れんれんれーん」
渡された合鍵で玄関のドアを開ければ驚いた顔の彼氏。それから少し、…いや、だいぶ散らかっている蓮の部屋。こまめに片付けなって言ってるのに。
「なんすか」
「…慰めて」
「いきなりっすね」
吹き出しながらもおいで、と手招きしてくれる。あえて正面じゃなくて後ろに回り込んで蓮のお腹に手を回した。ムカつくくらい細い。
「え、そっちっすか」
「…なんとなく。」
「まじでどうしたの？」
「………釣り合ってないって」
「なにがっすか？」
「私と、蓮」
「……マジで何言ってんの」
真剣な声色と聞き慣れたいタメ口。…普段は崩れた敬語みたいなの使ってるくせに。釣り合ってない、確かにそう言ってた。たぶん私に聞こえるように。
「……たぶん蓮と同い年でなんかキラキラした子達にすれ違いざまに言われた。」
「なんだよ、それ。…んで、へこんでるんすか？」
「へこんでない。むかついてんの」
「なるほど。…慰めます？」
「さっき言ったじゃん。慰めてって」
八つ当たり気味、だと自分でも思う。情けない顔を見られたくないくせに、安心するために近くにいたい。…だから後ろからひっついてる。
「どうやったらAさんの機嫌治ります？」
「……なおんない」
「それはまじで困る。…食いたいものあります？」
「ない。」
「ふは、ガキだ。この人」
「ガキは蓮じゃん」
くくく、と堪えたような笑い声と震える背中。何処までもデリカシーのないやつだ。蓮にだけはガキ、とか言われたくない。実際私の方が年上なわけだし。
未だなお笑い続ける背中をばん、と叩くた更に笑い声が大きくなった。
「いってー、叩きます？ふつー」
「笑うからだよ、彼女がこんっなに…」
「だってさ。俺Aさんに惚れてんのにさ、そんなの気にしてんのうけるじゃん。」
「……だって」
「周りとか関係なくないっすか？俺がAさん好きなの変わんないし。…Aさんはどうなのか知りませんけど。」
腰辺りに置いていた手に蓮の手が重ねられる。表情は見えない、でも。…絶対ににやにやと意地悪い表情を浮かべているのだろうな。
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作者名：まめこ
| 作成日時：2022年9月17日 0時
