第46話〜回想〜 ページ6
それから1時間後、母さんが病室に来たので
病室には俺と雅紀と母さんの３人になった。
無事だということを確認した母さんは安心したらしく
すぐそこにある椅子に座った。
母「お医者さんに挨拶してくるね。」
しばらくの沈黙が続いた後、思い出したようにそう言って母さんが病室を出て行った。
それからすぐに母さんといかにもかしこそうな、メガネをかけた医者が俺の傍に来た。
その医者から、今の俺の状況を聞く。
「櫻井さんが車にはねられた際、体を打ちつけたようですが幸い命に別状はありませんでした。
車の方も、直前に気付いたらしく速度も少しでありますが弱まっていたようですし･･･。」
そこまで聞いた雅紀は安心したらしく、
雅紀「よかった･･･よかった･･･」
そういいながら泣いていた。
雅紀を一目見た医者はすぐに、話を続ける。
「怪我のことですが、腕と肋骨は骨折しています。
全治1ヵ月からから2ヶ月といったところです。問題はありません。」
今まで俺の目を見て淡々と話していた医者が俺から少し目をそらして
「ですが、問題なのは足です。足というよりも膝なのですが、
はねられた際、膝をかなり損傷したらしく、傷が神経にまで達しています。」
雅紀「それって･･･。」
さっきまで、泣いていた雅紀がいつの間にか泣き止んで、
そうつぶやいた
そして俺も、今から先生が言おうとしていることがなんとなく分かって、
聞きたくないという思いが頭を支配していた。
だが、そんな思いも無視して先生は話を続けた。
「日常生活には問題ありませんが、長時間足を動かしたり、スポーツなどはもうできないと思って ください。」
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作者名：さき | 作成日時：2013年10月9日 10時
