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第56話 ページ16
雅紀サイド
休みを挟んで、学校が始まる月曜日
放課後教室を出て、翔ちゃんのクラスに行く
雅紀「翔ちゃーーん!!かーえろっ」
いつもの調子で翔ちゃんに声をかける
翔ちゃんは、こちらを確認した後、荷物を整理し始めた
久しぶりに翔ちゃんの教室に来たけど
翔ちゃん、クラスの女子の視線を独り占めしてるのに気付く
さすが、翔ちゃん
前と何ら変わらない、女の子からの視線に感動する
ただ、前と違うのは俺に近寄ってくるなってオーラを放っているところ
潤がいなくなってから、翔ちゃんは学校で笑わなくなった
学校で・・・？
ううん
俺の前でも笑わない
まぁ、俺のせいだから
と、急に襲ってくる罪悪感を頭から振り払い、
翔ちゃんの笑顔を思い出してみる
だけど、思い出せない
思い出すのは、翔ちゃんのつらそうな表情だけ
翔ちゃんを救ってあげたい
そう思うけど、俺なんかが救えるはずもなく
ただ一緒に帰ってるだけ
和と智のことがあってから
笑ってるだけじゃ駄目なんだって
今まで、笑ってたらいいことがあるっていう俺の考えは無残に飛び散った
だけど、翔ちゃんと潤といるときはとても楽しくて
素直に笑っていられた
あの時、親なんて気にせず一緒に遊びにいってたら･･･
なんどそう思っただろう
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作者名：さき | 作成日時：2013年10月9日 10時
