SJSS (ページ15)

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2月生まれ4月生まれページ15

「なぁ、俺がオッパだったらいいなー、とか思うの？」

彼女がタバコとアルコールの臭いを漂わせて帰ってきた晩、なんとなしに聞いてみた

「なに急に」

前置きなしのその言葉に少し怪訝そうな表情をつくる

「私がヌナで嫌だって言う意味？」

女ってどうしてそう話を飛躍するのか

いつまでも謎だ

「違うよ」

今日は学生時代のサークルの先輩たちとの飲み会だったんだろ？

仲間内のマンネと可愛がられているらしいから

だから頼りになるオッパがタイプなのかなって思って

これは言えない嫉妬心

「オッパって呼ばれたいんなら、可愛い年下アイドルでも捕まえたら？」

冷たい視線を送ったAはさっさと寝室に行ってしまった

あー、怒らせた

あの会合の後はちやほらされて帰ってくるから大抵ご機嫌なのに、今日は風向きが悪かった

こんなつもりじゃなかったのにな

「Aー、ごめんー。俺そんなつもりじゃなかったんだよー？」

寝室に行けば、彼女は着替えもせずにベッドに蹲っていた

「どうした？！気持ち悪い？水持ってこようか？？」

慌てて肩を抱くと振り払われてうううと小さく唸り声を上げた

「おーいー、どうしたんだよー」

根気よく、彼女の耳に垂れた髪をかけたり、手を握って摩ってやると、ようやくちらりとこちらに顔を見せてくれた

「先輩が結婚を前提に付き合ってって。彼氏いるの知ってるのに」

「へ？」

予期していなかった彼女の告白

「周りも盛り上がっちゃって、みんながヒョクの悪口言うんだよ？あんなだらしのない男って」

あイタタ、酷評ですね

「私には年上が良いって言うの」

私はそんなこと全然考えたことがない

ヒョクチェとだったら年上も年下も関係ないと思っているのに

ヒョクチェがいいのに

一通り話終わるとまたうううと唸り、蹲った

今度は耳が真っ赤なのが見える

え、何それ。ニヤけますけど

さっきまで抱えていた悩みなんてどこかに行ってしまう威力で-끝-