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「グルッペンもおばあちゃんもいるって思っとるんやろ。そういうことじゃない。赤い目というのは、そもそも生まれようがない色なんや。目の色っちゅうのは虹彩の中の、メラニン色素っていうのの割合で決まる。生まれつきのもんや。そのメラニン色素の中に、赤というのはない。……赤は、血の色や」
『……血の……色』
「アルビノって知ってるか？ 生まれつきメラニンが欠乏している個体のことや。そういう個体だと、目の色を決めるメラニン色素もないことがあるから、赤い目が生まれることがある。だがそれは色素によって決定したものじゃない。血の色をおおい隠すメラニン色素がなかっただけや」
『……難しい』
「グルッペンや、あのおばあちゃんの目は、普通に考えればありえないもんや。あれが血の色なのか、それともそうじゃないのか、素人にはわからん。だが彼女……、あの人の故郷は、その目を忌むべきものとして嫌った」
『……そんな』
「本来ありえないものがありえてしまった。それを、ありえてはならない厄災とつなげることは、古今東西、別にめずらしいことでもなんでもない。俺の父は数奇モンでなぁ、そういう縁起の悪い女ほどいいといって、あの人を大事にしとった。でもそれも、彼女を赦し、受け入れたわけではない、“彼女が悪いものだから”、気に入ったというだけの残酷な話」
『…………』
「そんなとき、彼女の異様さを気にせず、うつくしいから好きだといって故郷から連れ去ろうとした男は、まさに白馬の王子様やったやろう」
……グルッペンの祖父のことだ。そして、“ねえさん”の父の話。欧州にいたうつくしい女性を、連れ去るように妻にした男の話。
「厄災を運ぶ
『……は？』
「彼女がいわれていたことや。まわりの人間に」
……ドラゴン。東洋の龍と混同されることがあるが、西洋におけるドラゴンとは、基本的には厄災を運ぶもの、あるいはそれそのものが厄災として扱われることが多い。「悪」、「不幸」の象徴としての意味合いが強くある。彼女は、そう呼ばれていたわけだ。「悪」だと、……「不幸」そのものだと。
……残酷な話だ。「血」そのものが忌まわしきものとして疎まれる、そんな悲劇があるだろうか。……いや、確かにあったのだ。長い歴史の中で、そういうことは、嫌になるほど……たくさん。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
