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大先生に対する態度をみるに、おそらくトントンは大先生が苦手、あるいは嫌いなのだろう。だが大先生のほうはそんなトントンのことをまったく意に介さない。暖簾に腕押しとはこういうことだろうか。気の毒なもんだ。
「グルさん」
屋敷に上がろうとしたグルッペンだけを、トントンが呼びとめる。
「……少し話があるんやけど。時間とれへんか？」
「……かまわないが。場所は？」
「庵を借りてええやろか」
「茶を出そうか？」
「いや、そういうのはええんや」
「……そうか？」
呼び出される心あたりがないのか、グルッペンのほうはいまいち要領をえない感じだ。トントンはかまわず、グルッペンの手を引いて庵に向かって行ってしまった。……場に、俺と大先生だけが残される。気まずい取り合わせだ。出会ってまだ数時間しか経っていないというのに。
「必死やねえ、あいつ」
『あいつ？』
「トントン。グルちゃんが好きやからね、あいつ」
『好っ……、な、それは』
動揺した俺がどもりながらそう問うと、大先生はからかうように薄く笑った。なにもかもみすかしたようなその顔が、無性に腹立たしい。人の神経を逆なでするためにしゃべっているみたいな男だ、と俺は思う。
「俺には確かなことはよくわからんけど、特別なんやろ」
『特別……』
「許嫁にはなれなかったけど、いや、だからこそかな？ トントンのグルちゃんへの執着は、たまにちょっと怖いくらいや」
大先生の言葉に、俺は妙に悔しくなって、唇を噛んでうつむく。トントンは実際、グルッペンにとって特別な人間だ。特殊な縁でつながって、許嫁になれなくてもずっとつき合いがあって、かわりはほかにいなくて。さっきのように、グルッペンの腕をつかんで、引きずるように連れて行くことが許される。俺にはそんなことはできない。逆は何度もあるが、俺があいつを引きずって歩くことはできないのだ。
「あいつはきれいやろう」
……大先生の唐突な称賛が、誰のことを指しているのかわからず、俺は一瞬戸惑う。
「グルちゃんのこと。輝くような金髪に、宝石みたいな赤い目……、まるで生きうつしのようによう似とる。あのおばあちゃんに」
『……おばあちゃん……、あいつの？』
「欧州から嫁いできた、西洋人の女。あいつのルーツはそのおばあちゃんや。あいつの母……、ねえさんはハーフ、あいつはクォーター。うすうす察しはついとったやろ。日本人の色ではないからな」
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
