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いつものように、背の高い男がグルッペンに向けて手を振っていた。……いや、手を振っている？ トントンはそんな目立つようなことはしない。浅いつき合いだがそれくらいはわかる。よくみればトントンよりシルエットが細長い。スーツ姿で、どこからどうみても学生ではなさそうだ。
トントンとはまったく別人の男が、グルッペンを迎えに来ている。
「……大先生」
グルッペンは男をそう呼んだ。呼ばれた男は「んー、帰ろうかグルちゃん」と軽妙にこたえて、グルッペンの肩をとる。
「視線が痛いでぇ、俺に惚れちゃった？」
……無意識のうちに男をにらみつけていたらしく、からかうように男にそういわれて、俺は自分が異様に剣呑な態度をとっていたことを自覚した。だが、男のからかい方の軽薄さなんかがいちいち鼻について、警戒をゆるめる気にはなれなかった。
「……俺の身内だ。そう警戒しなくていい」
迎えに来ている時点で十中八九そうだろうとは思っていた。身内であることと、警戒に値する人物だということは、俺にとって関係がないのだ。グルッペンには悪いが、この男には当分心を許せそうにない。
「今日は茶会のうなったんよ」
「はっ？」
男が世間話のついでみたいなふぜいでそう語り出したので、グルッペンがすっとんきょうな声を上げる。俺がよくやる、情けない声だ。
「何故？」
「雨が降るから」
「……そんな理由で……」
「ねえさんの理屈はいつもそうや。グチグチいったってどうにもならん。そういうとこがあの人の愛嬌やん？」
「……お前にとってはそうなんだろうな」
『お、お前、姉ちゃんいたのか？』
唐突に出てきた新しい登場人物に動揺した俺がそう問うと、グルッペンはあきれた顔をして、小さく「俺の母のことだ」といった。大先生はグルッペンのお母さんを、ねえさんと呼んでいるらしい。……どういう関係だ。
「第一お前、茶会が中止なら何故わざわざこんなところまで来た。トントンはそれで来なかったんだろう。何故お前が」
「なんでやと思う？」
「わからないからきいてるんだろ」
「察しの悪いグルちゃんに特別に教えてあげよう」
男はそういって、校門の手前に停めてある車の後部座席の扉を開けて、グルッペンを招き入れるようにジェスチャーした。
「デエト♡」
グルッペンが、あきれて言葉をうしなっていた。顔はみえなかったが、間違いなくあきれているのがわかった。……雰囲気で。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
