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グルッペンの特別な赤い目は、この家の正統な財産ではない。欧州から嫁いできた祖母の血を隔世遺伝で強く受け継いだのがグルッペンで、その一番の痕跡があの特殊な目である。グルッペンは唯一の直系、その跡取り息子だが、その血ゆえに実の母からは疎まれることも少なくなかった。コネシマはそのことをはからずもよく知っている。
欧州から嫁いできたという彼の祖母は、正式に迎え入れられたわけではない。好色だったグルッペンの祖父が、出張先で「運命の恋」に落ちて、無理矢理連れてきたのだ。だから親族はみな、彼の祖母のことをよく思わなかった。
そんな祖母に瓜ふたつなのだ。直系の跡取り息子である、グルッペンは。
「青いねぇ……」
男はそうつぶやいて、たばこをふかした。庵の入り口に目をやりながら。
男のそういう「目」を、コネシマはよく知っている。……なにかたくらみがあるときの目だ。
「……妙なことせえへんやろな？」
「あのガキに情でも湧いたか？」
「違う。グルッペンがあのガキにご執心なんや」
「お前はいつグルッペンのボディーガードになった」
男の言葉に、コネシマはなにもいいかえせなくなってしまう。あのガキ──Aにも、グルッペンにも、情などないつもりだった。だが、グルッペンに対してだけは、つき合いが長いせいもある、無意識のうちにかばおうとする人情が働いてしまうというのだろうか。……らしくもない。
「温室育ちやからねえ、グルちゃん。あのガキは知らんけど」
「…………」
「ちょっと遊んであげないと。俺みたいのが」
「……なんでお前のようなやつが、半東に選ばれたりするんや」
「逆でしょ。俺みたいなやつがグルちゃんには必要やって、あの子のお母さんはようわかっとるっちゅうことや」
男はそういって、ポケット灰皿でたばこの火を消しながら屋敷の中に戻っていく。そのまま消えて行こうとする背中に、コネシマは「おい！」と声をかけた。片づけを終えたグルッペンを迎え入れなくていいのかという問いかけだ。
「そんなとこいたら風邪引くで。……雨が降るよ」
男の言葉通り、空には暗雲が立ちこめはじめていた。……暗く、重たい雲だ。
長い雨になるかもしれない、とコネシマは思った。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
