▽プロローグ ページ2
「あーわかる、そういう女ってうぜーよな」
暗くてボソボソとしかしゃべらない女は俺だってめんどくさい。クラスメイトの発言に俺は笑って同調する。
「俺そういう女にこの前告白されたぜ。罰ゲームっぽかったけど」
「マジ！？ 振った？」
「オッケーするわけねーだろ！」
俺たちがそうやって盛り上がっているようすを、クラスの端のほうで暗い女子のグループがこっそり盗みみているのがわかる。俺以外のふたりは気づいていないだろうが、俺はたまたまそっちのほうをみていたから気がついた。俺たちがこういう話をしているあいだ、ああいうグループはいつもこうして俺たちのことをみていたんだろうか。
女子たちの手前、俺たちからそう離れてはいないが、特別近くもない席に座ってもくもくと本を読む男がいる。
俺がみていたのはこいつだ。
「おい、A。お前もこの前告られてただろ。B組の小山だっけ？」
『告られたけど振った。……俺ちょっと昼飯足んねーから買ってくる』
「は？ 今から？ 昼休みもうすぐ終わるぞ」
『うるせー、ほっとけ』
遅刻しても知らねーぞというクラスメイトの声を背中に受けながら、俺は教室を出た。女子はともかく、俺たちの下劣な会話が間違いなくあの男の耳に入っているということが耐えがたかった。あいつらがどう思われようとかまわない、ただ俺は、あんなやつらと一緒にされたくない。少なくともあの男の中でだけは。
店じまいの寸前だった購買でおにぎりをひとつだけ買い、屋上に忍びこむ。本来は使用禁止だが、実は鍵が壊れていて、ちょっとしたコツがあれば鍵がかかっていても開けられる。そういう悪事を習得するのにはああいうクラスメイトとのつき合いが役に立った。
B組の小山は顔は悪くないがちょっと暗くて気が弱そうな女子だった。たぶん俺とは合わないなと思って振った。そしたら泣き出して、小山の友だちまで出てきて、俺が小山の友だちとか知り合いに糾弾される流れになったので、たまったもんじゃねえと逃げたのだ。こういうことはたまにある。つるんでんじゃねーよといいたくもなる、俺はただ断っただけだ。それがそんなに悪いことか？
「罪な男がひとりでなにしてるんだ」
屋上の入り口から涼やかな声がする。俺はあわてて声のしたほうを振り向いた。そこにいたのは予想の通り、俺がずっとみていた、あの男。
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暁 - こんにちは！好みドストライクの小説に死にました笑笑 よろしければ、番外編など書いていただけると、今後の楽しみになります← (2019年6月26日 17時) (
レス) id: 49acb176a2 (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - カロさん» リクエストありがとうございます！無事書けましたのでお知らせいたします。夢主気に入っていただけたみたいでうれしいです；！書いててすごく楽しいのでありがたいリクエストでした！読んでくださってありがとうございました！ (2019年6月22日 8時) (レス) id: 5ef018c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
カロ(プロフ) - すみません！リクエストで夢主くんとグルさんのイチャイチャが見たいです！お願いします！ (2019年6月21日 18時) (レス) id: d6860b933c (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - bhさん» わーいありがとうございます；；ほんと私の好きなもの無造作につめこんだだけの作品にそういっていただけでうれしいです！完結したのでお楽しみいただければいいな…と思います！ありがとうございます！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: cfc1eef8b5 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 大好きです…ド性癖です…応援しております… (2019年6月19日 15時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年6月18日 0時
