僕はイラナイコ (ページ29)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:34,047 hit

CY side ページ29

辛そうな表情をしているダウォン。

なんで、ベッキョナがこんな。

なんで。

多分これでまたダウォンは自分を責めるかもしれない。

ベッキョニも自分を責めた結果だと俺は考えていた。

これで、ベッキョニが死んだら。

ダウォンはEXOはどうなる？

『なぁ、ベッキョニ、目覚ませよ、お前は悪くないよ。誰も悪くない。なぁ、ベッキョニ。』

その時だった、ベッキョニの綺麗な指が動いた。

涙を流しながら、目を開けたベッキョニ。

その辛そうな表情でダウォンを見て、ごめん、ごめんって何度も謝ってた。

ダウォンも静かに涙を流していた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから２カ月が経った。

ベッキョニは活動に復帰して、ダウォンも声が出ないだけでそれ以外は問題ないということでステージに戻ってきた。

沢山のペンの歓声を聞いて、みんな楽しく活動していた。

JM「チャニョリヒョン！！」

『ジミナ！お前ら今回のステージカッコ良かったぞ！』

元気に駆け寄ってきたのは今、人気爆発中の防弾少年団のメンバー、ジミンだった。

JM「ヒョン！ダウォンは？」

『ん？えーと。あっ、お前らのマンネに捕まってる。』

JM「ほんとだ！じゃあ失礼しますね。ヒョン！」

『おう。』

また、ダウォンの方へ駆けて行くジミンを見送ってトイレへ向かった。

トイレに入ると女が居た。

めっちゃビビった。

暗いトイレにしかも男子トイレ。

「チャニョルくん！！ダウォンはどこ？私、ダウォンに用があるの。」

ダウォンに用があるという女。

このスタジオに入るには誰でも首からかけてないといけない名札をかけてない女。

ダウォンに会わせるには不安になる女だった。

この状況がまず危ないしな。

『すみません。誰かを言って頂けませんと、ダウォンに会わせることは出来ませんし、名札はお持ちですか？』

すると女の背後からキラッと光る何かが、すぐにそれが何かはわかった。

ナイフだった。

俺も逃げないとだけど今、俺が逃げたら確実にダウォンが狙われる。

「私のダウォンなのに！！何で！？ダウォンは私のものよ、私のお家に連れて行って一生、楽に暮らさせてあげるの。邪魔しないで？ね？チャニョルくん？」

イかれてる。そう思った。

そう思った時、女が走ってきた。ナイフを構えながら。

俺には守る術がない。

そのときだった。

ビーーッビーーッ

それはこのスタジオでは緊急時に鳴るサイレンだった。