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Aと出会ったのは中1の春
始まりは一目惚れだった
東京から小学校卒業と同時に引っ越してきたという彼女が話す標準語は聞き慣れないもので、彼女がどこか別世界の人間のようにも思えた
彼女から漂う雰囲気は、散りゆく桜の儚さに似ていて、その儚さが彼女の美しさをよりいっそう引き立てた
同じクラスだっただけではなく、隣の席だと分かった時は今年の運を全て使い果たしたんじゃないかとまで思った
｢平野くん、よろしくね｣
聞き慣れない標準語が聞こえ、声のするほうを向けば少し恥らないながら微笑む彼女がいて
｢ん、｣
そう、気のない返事をひとつ返した
｢ほんま紫耀って不器用やな〜笑｣
そんな俺の様子を見ていた大吾がいつものお節介を焼いてきた
｢うるさい、｣
｢好きなんやろ？Aちゃん｣
｢はっ！？……そ、そんなんちゃうし！｣
｢バレバレやって笑｣
昔から大吾には隠し事ができない
ここまで来ると俺が嘘が下手なだけなんじゃないかとまで思ってしまうくらい隠し事はすぐバレる
．
続く
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作者名：エム | 作成日時：2018年3月8日 20時
