転生し魔王は黒き本丸へ

第拾陸話 [] 茶ぁ ページ17

『さて。大倶利伽羅の手入れもすんだ事だし。離れに戻るか』

おー！と後ろから声が聞こえる。因みに薬研の頭には立派な雪だるま(たんこぶ)が出来ている｡

理由？第拾伍話を見直してくれ。


ー離れー

離れに着いた。着いたんだが……。

「よっ！主！」

「遅かったな」

「あぁ、お前が新しい審神者か」

え、鶴丸と山姥切？何で離れに…

『何茶ぁ入れて寛いでんだ、てか何でいるんだよ、そこの緑色のやつ誰！？』

「古備前の鶯丸だ。大抵の事情は鶴丸たちから聞いている。安心しろ、敵対する気はない」

『はぁ。いや、結界を通れたんならそうなのかもしれねーが、しかし鶯丸…あんた此処には顕現されてねーはずじゃ』

「あぁ、俺は比較的新参者でな。つい２週間前に鍛刀で来た。

刀帳に記録を付ける前に平野が直ぐに俺を隠してくれてな、それで助かったというわけだ」

『物凄く分かりやすい説明ありがとう』

さて、鶯丸の事情はわかったが。

『何でお前らはいるの？』

「ん？光忠に事情を聞いた。主が長谷部を説得してる間にな」

「同じくだ。この本丸最初の刀としては、やはり責任をだな」

『責任？』

「皆(みな)を守れなかった責任を…」

『山姥切だっけか？それはお前が感じる責任じゃぁねーよ。本来、それは審神者であるオレが感じるべきモノだ』

「だが俺が写しなばかりに…」

『はー。お前とも一対一で話さないとな』

取り敢えず今夜は長谷部だな。後で説明するって言っちまったし。

あー、布団余ってたかねー。

『布団多分足りないから二降(ふたり)一組で寝てくれ』

「燭台切の旦那、短刀は3人で寝ても大丈夫じゃねーか？」

「そうだね。でも僕、鶴さん、伽羅ちゃん、長谷部くん、明石くん、山姥切くん、鶯丸さんは…」

『…むさいな』

「言わないで」

仕方ないだろ、何がよくて自分とそう変わらないがたいの男と寝たいんだよ。
オレなら耐えられん。

『因みにオレは今日も徹夜だから布団割はお前らで決めろ』

オレは報告書とか色々纏めるのに寝る暇がねぇ。あー、寝たい。

「なぁ憐、あんま無理すんなよ？」

『少し心配し過ぎじゃねーの？太鼓鐘』

「でも」

『大丈夫だ。こう見えてもタフなんだぞオレは』

「うわぁ、薬研とか鶴丸と同じ儚げ詐欺だ」

『何だと行光』

なんでも、と薬研の後ろに隠れる。
薬研、その微妙な顔やめろ。

『まっ、いい。あぁ、長谷部お前は後でオレの部屋に来い』

「はい」

さて、何処から話そうか

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