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「あれ、Aじゃん。」
仕事終わりに不意に声をかけられる私。振り返ると、そこには、蘭くんととても綺麗な人が並んでいた。
「蘭くん!デート中なのに私に声掛けて大丈夫?」
「は!?てめぇ、こんなキモイ奴とデートなんかしてる訳ねえだろ!死体にすんぞ!」
とても綺麗な顔で物騒な事を言う美人。蘭くんの好みにとやかく言うつもりはないけれど、美人なら誰でもいいのだろうか。
もう少し穏やかな人といる時に声をかけて欲しいものだ。
「おい、三途そんなに怒んなよ。可愛いAが泣いちゃうだろ〜?」
「知らねえよカス。」
瞬きする度に長い睫毛が揺れる。全体的に色素の薄さが際立ち、瞳の色も創り物のように綺麗な色だった。
口元の傷さえも、その人の美しさの象徴のように感じてしまう。背も高く、スーツを着こなしていて、まるでモデルのようだ。
「A、コイツ男だから蘭ちゃんとデートしてる訳じゃねえの。」
「え、男性……!?」
顔ばかりに目がいってしまっていたけれど、よく見ると体格とかは男の人そのものだった。
造形美という言葉が良く似合うような綺麗な顔貌の男性。神様自らの手で作り上げたような、本当によく整った顔。
そんな彼をぼんやりとしながら見つめていると、キッと睨まれてしまう。
綺麗な顔の人に凄まれるとより一層の怖く見えてしまう。彼が纏っているオーラに呑まれてしまいそうだ。解き放っている彼の威圧というオーラに負けて、思わず目を背けてしまう。
「三途、俺の可愛いAに意地悪すんなって言ってんじゃん。」
「お前、自分のお気に入りの女なら全員可愛いンだろうが。」
……確かに、それはきっとそうだと思う。その発言は割と的を得ているような気がする。
蘭くんの口から「三途」という単語か聞こえてくるから、恐らく、この人は三途さんというのだろう。
三途さんは三途さんで、蘭くんに振り回されているのだろうと勝手に予想をしてしまう。お気の毒に。
「でも、ほかの女と随分系統が違うな。……こんな純粋そうな女を誑かして嫌な奴だな、お前。」
心底軽蔑しているような表情で蘭くんを睨んでいる。
「超心外。Aは特別なの。純粋だから可愛いンだろ?」
私を他所に会話が続いており、私はそのやり取りを見守ることしか出来なかった。
「クソどうでもいい。」
やっぱり綺麗な顔立ちの彼。もう少し言葉遣いが良ければ尚、素敵なのに。でも、蘭くんと一緒に居る時点で同業者なのだろうと察してしまう。
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うさ - めちゃくちゃ好きすぎます… (3月31日 19時) (レス) @page50 id: 4170d6f2b7 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - めちゃめちゃいいお話しでした!(蘭ちゃん流石。。。男前すぎん?惚れるわ) (1月1日 11時) (レス) @page50 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
可月(プロフ) - 竜胆最高 (12月27日 7時) (レス) @page50 id: fed16d8c1b (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - サバさん» ありがとうございます🥹💖 (2022年4月4日 7時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
サバ(プロフ) - さきなさん» これからも応援してます🥰 (2022年4月4日 3時) (レス) id: b9a6851691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年3月21日 1時