37 蘭side ページ38
Aと飲み明かした次の日、予想外な事に竜胆に呼び出しをくらってしまう。
恐らく、A絡みだとは思っているけど。
「なんだよ、竜胆〜。兄ちゃんに会いたくなったのか?」
「今は、そういう冗談要らねえから。」
かなり、ご立腹の様子だ。恐らくAの事、どう思っているのか、聞きに来たのだろう。
「兄貴は、Aの事が好きなのか?」
瞳の奥に燃えたぎる様な闘志を感じる。そんな目で俺の事を責めるように見るなら、さっさとお前が「好き」って言えばいいだろ。
意気地無しのくせに、一丁前に俺に八つ当たりしてんじゃねえよ。関係を壊したくなくて臆病になって日和ってるクセに。
「ああ、好きだよ。ずっと前から。」
包み隠さず竜胆に伝えると、明らかに動揺を見せた。俺じゃ、勝ち目がない……なんて言わねえよな?言わせねえけど。
竜胆が興味を持った女は大抵、俺を好きになっていた。それはAと出会う前の話だ。
よく竜胆は「兄貴の事が好きなら仕方がない。」と笑って潔く諦めて興味を無くす事が多かった。
その度にいつも思ってた。気になってるなら諦めずに、その女の心奪ってみろよって。そんな事も出来ねえ奴が、好きな女と幸せになれる訳ねえだろって。
「……兄貴でも、Aだけは譲りたくない。たとえ、Aが兄貴のこと、好きだとしても。絶対に俺に振り向かせる。」
初めて、竜胆から受けた宣戦布告。思わず武者震いしてしまうくらいだった。
「ふぅん、じゃあ……Aの心、奪ってみれば?俺は俺のやり方でAに攻めてくけど。」
Aの事、余程好きなんだな。なら、尚更早く気持ちを伝えればいいのに。
本当にとことん互いに拗らせあってて面倒くせえ。拗らせ愛に俺を巻き込むんじゃねえよ、って言いたいところだけど。
竜胆の宣戦布告を受けたのだから、俺は俺のやり方でAと接触していくつもりだ。
「絶対に兄貴に負けねえ。」
初めて対抗心を燃やして執着を示した竜胆の姿。今までみたいにそう簡単に諦めるとは言わないんだな。
それでも、嬉しい気持ちもあった。それ程までに、本気で好きになった女に出会っていた事に。
そこまで本気で好きになって、12年間何を燻ってる?
誰かにかっさらわれないようにずっと見張ってきたくせに。他の男に牽制してたくせに。
「ま、せいぜい頑張れよ、竜胆♡」
余裕ぶった態度を見せるとそれはそれで面白くない竜胆はキッと俺に似たタレ目で精一杯睨みを効かせていた。
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うさ - めちゃくちゃ好きすぎます… (3月31日 19時) (レス) @page50 id: 4170d6f2b7 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - めちゃめちゃいいお話しでした!(蘭ちゃん流石。。。男前すぎん?惚れるわ) (1月1日 11時) (レス) @page50 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
可月(プロフ) - 竜胆最高 (12月27日 7時) (レス) @page50 id: fed16d8c1b (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - サバさん» ありがとうございます🥹💖 (2022年4月4日 7時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
サバ(プロフ) - さきなさん» これからも応援してます🥰 (2022年4月4日 3時) (レス) id: b9a6851691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年3月21日 1時