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13 竜胆side ページ14

会話もないまま、寄り添い合ってから数十分後。Aの身体の重心が更に肩へと掛かってくる。

目をやると、泣き疲れたのか安堵して寝落ちたのか、目を腫らしたまま眠りについていた。

眠りについたのは良いけれど、ソファで寝かしっぱなしにする訳にもいかない。

仕方がなく、ベッドに運ぶ。だらん、とだらしなく力が抜けた状態のA。

すっかりと夢に溶け込んで、半分は気持ちよさそうであるけれど、半分は腫れた瞼が痛々しい。

抱き上げた身体がこんなにも軽いだなんて思っていなくて、尚弱々しい存在だと思い知らされる。

ベッドの上にそっと起きないように降ろし、Aから離れようと思っていた矢先。

呑気に寝息を立てたまま、俺の身体を引っ張るように抱きしめてベッドへと俺の身体ごと引きずり込まれる。

……後でのブーイングは受け付けねえからな。Aが寝ぼけて勝手にやったんだから。

俺を抱き枕にしたままのAを素直に受け入れて、抱きしめられたまま俺もゴロン、と横になる。

本来なら、この状況で襲われる可能性の方が高いんだからな、と心の中でAの寝顔に向かって言ってみる。

寝顔にキスを落としてみても、深い眠りについてしまっており、目を覚ます様子はなかった。

御伽噺だったら、とっくに目を覚まして、運命だとこじつけて2人は結ばれるのに。

目を覚まさないAと俺は結ばれないことを前提で考えてしまっている。……淡い期待をしたら後で辛くなるのは俺自身だから。

「人の気も知らねえで。」

……俺が、今みたいな事を誰にでもするなんて思って欲しくない。

こんな風に優しくしたいのも、優しくするのもずっとAだけでいい。

そう思っているくらいには、Aの事が好きなのに。

長年、俺の気持ちに気づかないって何なんだよ。

ふと、A越しに見えた服。ハンガーに掛かっているが、妙に露出の高いもので、Aが絶対に着ないような物だった。

もし、アレを誰かの前で着ようものなら普通に腹が立つし凄く妬ける。

恋人じゃないし、ましてや俺が気持ちを伝えることに躊躇して1歩踏み出せないのだから妬けるなんて言葉をAに抱くのもお門違いなんだろうけど。

でも、こうして何もなく俺の横で眠っているAの寝顔をこれから先も俺が眺めたい。

……もう少し落ち着いたら、ちゃんと気持ちを伝えようと決心をする。

今回の件よりも更なる嵐が待っているとは思いもせずに。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷竜胆 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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うさ - めちゃくちゃ好きすぎます… (3月31日 19時) (レス) @page50 id: 4170d6f2b7 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - めちゃめちゃいいお話しでした!(蘭ちゃん流石。。。男前すぎん?惚れるわ) (1月1日 11時) (レス) @page50 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
可月(プロフ) - 竜胆最高 (12月27日 7時) (レス) @page50 id: fed16d8c1b (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - サバさん» ありがとうございます🥹💖 (2022年4月4日 7時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
サバ(プロフ) - さきなさん» これからも応援してます🥰 (2022年4月4日 3時) (レス) id: b9a6851691 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年3月21日 1時

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