ずっとずっと…【赤】 (ページ5)

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夏休み後半には試合があるため、それまでは練習三昧

唯一のお盆休みも、父の実家に帰省で、家にはいない

渋谷先輩も受験生だし、勉強……

忙しいよな

“遊びに行きましょ？”

なんて、気軽に誘えない………

先輩の補習も毎日あるわけじゃないし、あっても午前中だけ

かたや私は、毎日夕方までみっちり部活

会うこともままならないまま、1日 1日と夏休みは減っていく

メールを送っても、気まぐれに返事が来て、いまいち先輩のことがつかめない

“興味ないから”

あの時は、いまいちピンとこなかったけど、その言葉が今は重くのしかかる

“恋愛にも、私にも、興味がない”

ってこと、だったのかな？

だったら、どうして告白 OKしてくれたんだろう

今の関係だって、友達から聞いていた

お付き合いしている、男女の関係

とは、ほど遠いもの

どうしたら……

先輩に振り向いてもらえるのかな？

返信がなくても、必ず1日1回は送っていたメール

お盆休みの5日間、送らないでおいてみようとと、携帯を何度も手に取るも我慢した

毎日のメールが突然止まって、“どうかした？”なんて、ちょっとは心配してくれるかな？なんて、思ったりもしたけど、先輩から、そんなメールは来なくって

このままだと、自然消滅……とか？

我慢より不安が先に立って、わずか3日で

『先週の土曜日から、父の実家に来ています』

なんて、どうでもいいメールを先輩に送ってた

その後も、先輩とは何の進展もなく

なまじ彼女……いや。彼女(仮)みたいなポジションについてしまったおかげで、モヤモヤと苦しい日々を過ごしていた夏休み

それも終わりに近づいたある日

『明日、試合なんです。頑張って来ますね』

何気なく送ったメール

すると、珍しくすかさず返信が

『どこで？』

『学校のコートです』

『何時から？』

『10時からです』

『ヨコも明日、練習試合やねん』

『そうなんですか。応援しっかりして来てくださいね』

プツリと途切れた会話

そっか

先輩、横山先輩の応援に行くんだ

私って

先輩にとって、どんな存在なんだろう

それを考えたら、寂しくなって、苦しくなって

まだ眠るには早すぎる時間なのに、頭から布団をかぶって目を閉じた