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「夏休みのヒナの動向が気になった？
まぁ、そぉやろな。アイツ、俺より格好ええし、頼りになるし……
好きにも、なるわな」
かかと踏んだ上靴 鳴らしながら、近付く先輩
必死に首を横に振るものの
「毎日、生徒会室で何しとったか知らんけど。
まっ、仲良ぉなれたら、ええんちゃう？」
先輩の一方的な話を、止める事は出来なくて
「んじゃ、ヒナとお幸せに」
私の前を通り過ぎていくから
「……待って下さいっ！」
これを逃したら、もう一生先輩とは話せないかも…
変な誤解されたまま、別れてしまうなんて嫌だ
そう思って絞り出した声
「なに？」
「村上先輩とは…そんなんじゃありません」
「はっ？」
「毎日 生徒会室に行ってたのは、今日の日のために、ある曲を練習してました」
「今日？」
「………でも、そんなん もう、どぉでもいいんです。先輩、彼女さん いるんですよね？」
「はあっ？」
「この間、偶然見かけたんです。中学の近くのコンビニで。可愛らしい女性と一緒にいるとこ…」
「あー…あれは」
「あのっ。いいんです、もうホント。
………けど、これだけは 信じて ほしい……です」
最後 だもん
「私は、先輩のこと、ずっと好きでした」
ちゃんと泣かずに 先輩の目を見て
「中学の時から、ずっと ずっと」
伝えなきゃ
「今も。多分、これからも……。
先輩こそ、彼女さんと仲良くして下さいね。2ヶ月間、ありがとうございました」
溢れそうになった涙、先輩に見られないように、頭を下げて そのまま音楽室を飛び出した
「ごめんなさいっ」
曲がり角で誰かにぶつかったけど、相手のこと 気にする余裕もなくて
「はぁ、はぁ……」
下駄箱の横にあるゴミ箱の前
楽譜と、赤いリボンのかかった袋を捨てようとしたら、その手をグッと掴まれた
「ちょお、来い」
「………」
「ええから」
連れ戻された 音楽室
「………彼女、ちゃうし」
背を向けたままの先輩
「お前が見たん、ヨコの彼女。最近、ヨコに相手してもらわれへんって、相談受けて」
掴まれたままの手首
「だから、俺の彼女、ちゃう」
その力は、どんどん強まって
「それに……
俺の彼女は………
お前だけ やし」
手首も 胸も 痛くなった
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作者名：ちか
| 作成日時：2018年9月22日 0時
