ずっとずっと…【赤】 (ページ11)

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「千葉さん、ホンマにすばるの前で歌うん？」

なかなか上達しない私に、助っ人だと村上先輩が連れて来てくれたのは、横山先輩だった

「ほんなら1回、聞かせてみて？」

詰まりながらも、何とか最後まで歌い切ると

「ええやん、ええやん。でもさ？ここもうちょっと…」

褒めながらアドバイスをくれる、横山先輩

かたや村上先輩は

「そこっ、ちゃうやろっ？もう一回」

典型的な体育会系

私にとっては、アメとムチみたいな2人に何とか助けられて

「まっ、ええやろ。明日ビシッと決めたれよ」

「千葉さんなら大丈夫。自信持ってな」

9月21日は過ぎていった

『明日、お渡ししたいものがあるんです。放課後、音楽室に来てもらえますか？』

今回も、迷いに迷って送ったメール

『わかった』

と返信がきたのはすぐのことで、ホッと胸をなでおろした

9月22日

朝から1日ボーッとしてて、お昼ご飯も喉を通らず、油断すれば泣いてしまいそう

そんな情緒不安定な中、時間が過ぎるのはあっという間で、気付けば放課後

音楽室のドアにてをかけ、大きく深呼吸

思い切って開けると、窓際に立つ渋谷先輩

「すみません、遅くなって」

「……いや」

「あのっ、先輩 ……」

『お誕生日おめでとうございます』

そう言おうとしたのに

「あのさ…」

先輩に遮られて

「俺ら…別れよか？」

自分が思っていた事を、先に告げられた

「まっ、“カレカノ”みたいな事、ほぼほぼしてへんけどな…」

視線落として、フッと笑って

「ヒナガええなら、そう言ってくれたら良かったんに」

口角は上がってるけど、目の奥は冷たい

「俺に近付いてヒナにとり入ろうとか、そんな面倒くさい事、せんくってもええやんか？」

身に覚えのない事言われてるのに、冷たい視線に身体が凍りついたように動かなくなって、反論さえ出来ない