梅色の恥じらい。 ページ9
それから、伊沢さんが私の手料理を完食してくれて、うきうきで伊沢さんに話しかける。
「ねえねえ伊沢さん、こんな私を毎日そばに置いておきたくなりましたか?」
「いや、それはないね」
「くっ...手ごわいですね」
「それを承知で挑んできたんでしょ?」
たしかに。今の私には、因果応報という言葉がお似合いだ。
にやりと笑った伊沢さん。尊い。ライターとしてじゃなくて、一人の女性として関われていることが幸せです。はい、合掌。
「今日は夜遅いし__」
来た!泊まる?パターンである。
「送るよ。」
_ん?送る?えっと、それは、送り迎えの送る?
「ちょっと言葉が出ないんですが、私、帰る必要があります?」
「それ以外なに_?」
これには彼もキョトン顔である。
「__泊まるつもりできましたが。」
いたっておかしくない私の返答に、伊沢さんは声を上げて笑った。
「あははは、傲慢すぎでしょ!」
「何事にも前向きに取り組める長所です」
屁理屈を言うと、すこし伊沢さんの青筋が立った気がした。
拳骨食らう..
ぐ、と身構えると、伸びてきた手。
それは私の頭に伸びてきた。
頭が引き寄せられる。こつんと額同士が当たった。
「男の家にホイホイついてきて、何されんのか、解ってる?」
香水、いや柔軟剤の香りだろうか。酔ってしまうような甘美な香りが鼻孔をくすぐる。
伊沢さんと私、こんなキスできるような距離で___
なんて考えたら、おなかの底から羞恥が沸き上がってきた。
「っ〜〜〜...」
「ほら、こんな距離でも赤くなるのに?」
叶わないな、この人には。
「絶対二日目は、好きにさせてみせます」
ふり絞れた言葉はそれだけだった。
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てら(プロフ) - みるくれもんさん» ありがとうございます!そうです!某髭の彼らです〜。音楽を聴いたとき、絶対こうちゃんに合うなーとおもって書きました! (2020年3月14日 17時) (レス) id: 44b95f4836 (このIDを非表示/違反報告)
てら(プロフ) - みけさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです〜! (2020年3月14日 17時) (レス) id: 44b95f4836 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれもん - はじめまして!いつも読ませて頂いてます、大好きです!!!こうちゃんのやつ、もしや髭男の曲ですか!?素敵ですよね(^^)これからも頑張ってください、体調にはお気をつけて!! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 1ef1ccf766 (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 第1話から心臓を撃ち抜かれました...ありがとうございます...!!とても大好きです (2020年3月10日 23時) (レス) id: 5abc98e162 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てら | 作成日時:2020年3月10日 21時