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ほしいまま ymmt ページ3

「ね、この記事見てよ!」
そういって僕は、同僚であるAちゃんに新しく書いた記事を見せる。

「おお!相変わらず山本君は記事書くの早いなぁ...東大王オセロ対策じゃん!」

これ好きなんだよね〜なんて楽しそうに画面を見る彼女に、僕は好意を寄せている。
同僚としてでもない。ハグしたいし、キスしたい、それ以上の事も..って駄目だ..何考えて。

「縦、と書いて、ほしいまま...?」

「びっくりだよね。そんな読み方があるなんて。」
記事をじっくり読まれて、照れくさくなってなんとか話を続ける。
この気持ちに、気づいてくれる日が果たしてくるのだろうか。

___
_
「おおい!遅いぞ」
なんて言ってもう出来上がりつつある伊沢さんが僕を呼ぶ。すみません、と置いて、個室にはメンバーが集まっている。須貝さんが十八番のハリポタの完コピをしていた隣で、笑っていたのがAちゃんだった。

「山本が好きなAちゃんも来てるぞ〜」
須貝さんにそう言われて、どきりとした。
「ちょっと、もう酔っぱらってるんですか〜?」
その場の空気をごまかして、川上さんの隣に座る。ドキドキしているのは、僕だけで。
彼女は終始にこにこしていて、同い年なのに余裕が感じられてなんだか悔しい。

僕が来て早二時間。面白かった東海オンエアさんの動画や、次の企画などの話、クイズの話、あっという間に時間が過ぎて、もうお開きになった。

「山本とAちゃん帰り同じ道でしょ?気を付けて帰りなね。」
川上さんがそう言って、はい!なんて元気に返事するAちゃん。
この気持ちが爆発しそうで怖い。

「酔い、醒めてきちゃったね。山本君」
という彼女だが、顔はほんのり染まっている。

「う、うん。そうだね」
あと数センチで、手をつないでしまえるほどの距離。
ひた、と手が当たって、期待していなかったことが訪れた。

「Aちゃん..っ?」
ぎゅ、っと手を絡められて、僕の心臓がバクバク跳ねる。Aちゃんの顔は、今までに見たことないくらい、真っ赤だった。

「っ、勘違い、してもいいよ」
誰も歩いていない。もう終電もない。
「ごめん」
くん、って手を引っ張って、無理やり唇を合わせた。溶けてしまいそうな、柔らかい感触。

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てら(プロフ) - みるくれもんさん» ありがとうございます!そうです!某髭の彼らです〜。音楽を聴いたとき、絶対こうちゃんに合うなーとおもって書きました! (2020年3月14日 17時) (レス) id: 44b95f4836 (このIDを非表示/違反報告)
てら(プロフ) - みけさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです〜! (2020年3月14日 17時) (レス) id: 44b95f4836 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれもん - はじめまして!いつも読ませて頂いてます、大好きです!!!こうちゃんのやつ、もしや髭男の曲ですか!?素敵ですよね(^^)これからも頑張ってください、体調にはお気をつけて!! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 1ef1ccf766 (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 第1話から心臓を撃ち抜かれました...ありがとうございます...!!とても大好きです (2020年3月10日 23時) (レス) id: 5abc98e162 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てら | 作成日時:2020年3月10日 21時

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