理想の幼馴染10 (ページ31)

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家に帰ると…

ソラしかいなくて…

ソラ「お2人、もう出ましたよ」

大地「…そう」

ソラ「祝福、してないみたいですね」

大地「そんな事ないさ、

母ちゃんには母ちゃんの人生があんだし」

ソラ「そうですね」

するとソラが荷物をもって

こっちに来て…

大地「あれ？」

ソラ「家に帰ります」

大地「…そ、そりゃねぇいつまでも」

ソラ「改めて、父の選ぶ相手と婚約を」

大地「…え？」

ソラ「短い間でしたけど、楽しかったです」

大地「いやちょっと待ってよ… どういう事？」

ソラ「私にも気になる殿方はいた…

束の間でも… その人と幸せな時間を過ごした…

そういう思い出が欲しかったのです…」

大地「思い出？そんなんでいいのかよ」

ソラ「思い出はとても大切なものです、

それがあれば、私は大丈夫」

大地「まぁそうかもしんないけどさぁ…」

ソラ「あなたのお母様も、

同じじゃありませんか？」

…え？

大地「…母ちゃんが？」

ソラ「息子であるあなたとの

関係を壊したくないから、

結婚に踏み切った…

思い出を大切にするために…

私にはそう見えます」

大地「フッ… まぁいずれ100％

じゃいられないから、

お互いちょっと減らそうって話」

ソラ「…不幸なお話ですね」

大地「なんでよ！

これから結婚して幸せになる人に」

ソラ「だって、あなたが100％

あげられなくなると思ってるから」

大地「だってもし恋人とか奥さんが出来たら、

物理的に無理じゃない、

その人にいっぱいあげられるように、

親離れって言うので

母ちゃんの数減らしとかないと…」

ソラ「…そうですか？」

大地「そうだよ！引き算も出来ねぇのかよ！」

ソラ「…」

大地「…ごめんでかい声出しちゃって」

ソラ「いえ…」

大地「…ごめん」

ソラ「…」

するとソラは棚から持ってきた

母ちゃんがくれた赤い手袋を出してきた…

ソラ「あの… これ、お母様が…」

俺はそれを手に取って…

大地「っ…」

これまで事が込み上げてきた…

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