密室10 ページ10
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青砥「大樹君は引きこもりだって言ってましたけど、
食事とかはどうしてたんですかね？」
榎本「妹さんが運んでいたんですよ、
当日の朝も、彼女が作った食事と、
高澤さんが入れたコーヒーを
綺麗に平らげていたそうです」
青砥「自、殺する前なのに？」
芹沢「いわゆる最後の晩餐だ、
俺なら残さず食べるね」
青砥「大樹君の体内からは
睡眠薬が検出されたんですよね？」
榎本「部屋のごみ箱に、
薬剤シートも残っていました」
青砥「もしかして…」
芹沢「なんだよ」
青砥「もしかして高澤さんが
コーヒーの中に睡眠薬を入れたんじゃないですか？」
芹沢「バカ言えよ、練炭自、殺する時は
睡眠薬を服用すんのが普通だろう」
青砥「朝食の食器は？ 調べたんですか？」
榎本「高澤さんが洗ってしまっていたそうです」
ですよねぇ〜
青砥「ハァ…」
A「証拠隠滅ですね…」
芹沢「長いことさ〜
引きこもりなんかやってると、
自、殺したくなる場合もあるよね」
青砥「え？」
芹沢「あぁ、これは間違いなく自、殺だ、
高澤さんにもご迷惑だから、
そろそろ切り上げて帰ろう、さぁ行くぞ！」
そういうと芹沢さんは部屋を出ていき…
青砥「大樹君って…
ホントに引きこもりだったんでしょうか？」
榎本「…どういう意味ですか？」
青砥「ん〜 引きこもりって、
生きることに無気力で、
社会とのつながりを一切拒否して、
ひたすら現実逃避するものだと思うんです、
さっきAさんも言ったように、
確かに逃げたいと感じるものがなくて…
逆にここに並んでる本からは、
これからの事を感じるんですよね〜」
A「試験の問題集とか、
対策集が並んでますもんね」
榎本「…」
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作者名：nanami | 作成日時：2021年6月21日 23時
