密室9 ページ9
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榎本さんと合流し、
どうしようか話そうと思ったら、
Aさんも車に乗っていて、
美樹さんの家へと車を走らせた
青砥「榎本さん、家に行ったところで、
美樹さんは入れてくれないと思います」
榎本「美樹さんではありません」
青砥「えっ？」
A「高澤さんに話をするそうです」
青砥「えぇ？！」
芹沢「あのな、自分を疑っている人間を
ホイホイ家に上げるバカがどこにいんだよ？！」
青砥「そうですよ！ それに弁護士といっても
特に権限がある訳じゃないし、強制することはできません！」
しかし着いてみると…
高澤「いいですよ、どうぞ入ってください」
青砥「えっ？ いいんですか？」
高澤「えぇ、愛一郎君の気持ちもわかりますから、
気の済むまで調査なさってください、どうぞ」
こころよく入れてくださり…
大樹君の部屋へ案内してくれた…
芹沢「いや〜 いい人だった〜 びっくりした！
ホントは不愉快だったろうに、
嫌な顔1つせず我々に対応してくれた、
なかなかできる事じゃないぞ？
さすが教育者だ、なっ？」
あれだけ疑ってたくせに…
芹沢「考えてみりゃさ、
あの人は血の繋がっていない子供を
2人も引き取ったわけだよな？
まだ若いし、再婚だってできるのに、
放っておく事が出来なかったんだろうな〜
人格者じゃないか」
青砥「でも…」
芹沢「さっきの見たろ？
あれが子供を殺す男の顔か？
俺はそうは思わない！
これはやっぱりあれだ、間違いなく自、殺だよ、
全ては会田愛一郎さんの思い込みに違いない、な？」
A「バレない自信があるから、
私たちを招き入れたのかもしれませんよ？」
芹沢「Aさん… それは考えすぎですよっ」
A「話は聞きましたけど、
私は自、殺じゃないと思います」
青砥「どうしてですか？」
A「自分が死んでしまったら、
妹さんが血の繋がっていない
再婚相手の男と2人になってしまうんですよ？
大樹君がそんなことするように思えません」
確かに…
A「それにこの部屋に来て…
より自、殺じゃないと思いました…」
青砥「え？」
A「この部屋からは…
人生から逃げたいと感じないんです…
どんなに部屋を綺麗にしていても…
どこかに逃げたいと感じるものがあるはずです…」
逃げたいと感じるもの…
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作者名：nanami | 作成日時：2021年6月21日 23時
