密室20 ページ20
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榎本「高澤さん、手品がお得意でしたよね？」
高澤「それが、何か？」
榎本「5年ぶりに会田さんが訪ねてくる日に、
大樹君が亡くなったのは偶然ではありません、
犯人は最初から会田さんを利用するつもりだったんです」
A「会田さんに鍵を開けさせるため…」
榎本「えぇ、犯行現場が密室だったと
警察に思わせるために、
わざと会田さんに解錠させるよう仕向け、
確かに鍵が掛かっていた事を証言させたんです」
会田「そんなっ…」
榎本「会田さん、鍵を開けるのに、
手こずったと言ってましたよね？」
会田「あぁ… 妙に滑るっていうか…
緊張してたのかな…？」
榎本「いくら緊張していても、
あなたがこの程度の補助錠に手こずる
なんておかしいです、サムターンに…
何か細工がしてあったと考えられませんか？」
青砥「サムターン？」
榎本「サムターンというのは、
ドアの内側の錠についているつまみの事です」
芹沢「細工って… どんな細工だよ」
榎本「例えば…
紙テープのようなものを…
巻き付けてあったとか…？」
高澤「っ…」
A「どうですか？」
会田「あぁ… 言われてみれば…」
高澤「っ…」
榎本「さて…
そろそろマジックの種明かしをしましょう…
高澤さんは、穴の位置が補助錠の下に来るように
あらかじめドアに印をつけておきました
サムターンには紙テープが
分厚く巻き付けてあったんだと思います
テープをサムターンの施錠方向と同じ
右回りに巻いておき
ドリルの先端接触させて低速回転させると
歯車のようにサムターンに回転が伝わり
施錠されるという訳です」
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作者名：nanami | 作成日時：2021年6月21日 23時
