密室19 ページ19
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青砥「でもどうやったら中の気圧を
高くしたりできるんですか」
榎本「簡単なことです、エアコンを設定して、
温度を2,3度上げればいいんですよ」
青砥「2,3度でいいんですか？」
榎本「ボイル・シャルルの法則だと、
それぐらいの計算になりますよね？ 高澤さん」
高澤「…よく覚えてらっしゃいますね、
確かに、完全に密閉された部屋であれば、
2,3度で十分でしょう」
芹沢「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれよ、
練炭なんか焚いたらさ、2,3度どころか、
軽く10度上がっちまうだろ」
榎本「はい、普通は気圧が上がりすぎて
ドアが吹っ飛ぶか、
少なくとも亀裂ぐらいは生じるはずです」
青砥「10度で？！ じゃぁなんで普段は
暖房付けてもドア大丈夫なんですか？」
榎本「僕たちが普段生活している部屋には、
必ず僅かな隙間が存在します、
空気が膨張したとしても、
逃げ場があるから問題ないわけです」
青砥「だから窓にも目張りが必要だったんですね！」
榎本「そういうことです、つまり…」
芹沢「練炭を焚いた時には、
まだ目張りはされてなかった… って事だな」
榎本「その通りです、犯人はおそらく、
大樹君の死亡を確認してから、
燃えている練炭を燃えかすと入れ替え、
その後で目張りをしたんでしょう」
高澤「ハッハッハッ…！
まったく、よくそんなことが思いつきますね！
でもそれなら、なぜドアが開いたんですか？」
榎本「それはあなたが穴を空けたからです、
それによって空気が逃げ、
室内の気圧が戻ったことで、
ドアを押さえつけていた気圧は消失しました」
高澤「面白い事 言うね、
でもそんな事 問題じゃないだろう！
愛一郎君、君だって知ってるはずだ！
このドアには！ 確かに鍵が掛かってたじゃないか！
このドアを開けたのは君だろ？！」
榎本「クロースアップマジックですよ」
「「「っ…」」」
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作者名：nanami | 作成日時：2021年6月21日 23時
