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A「あ、話してる場合じゃないね、勉強しよっか」
宏光「そうだな」
A「ねぇ、この英文なんだけどさ、
私 英語 苦手だからわかんなくて…」
宏光「あぁ、これは『過去形に直せ』だから、
この間習ったこの単語をここに入れて書いていったら…」
A「なるほど、ありがと」
宏光「それ『a』じゃなくて『u』」
A「ホントだ、似てるから間違えるんだよね〜」
宏光「確かに『u』の上を繋げたら『a』になるしな」
A「英語って癖が強いと何書いてあるかわかんないんだよね〜」
宏光「中2ん時の英語担当マジで何書いてんのかわかんなかったわ〜」
A「ハゲたんでしょ」
宏光「そうそう！ 発音も地味に悪くてさ」
A「書くのも聞き取るのも難しかったよね」
宏光「テストのほとんど何とか自習で点取ってたし」
A「私ほぼ諦めてた」
宏光「マジかよ…」
A「だって何書いてるか分かんないし、これは？」
宏光「これはこの単語を使って説明文を書けだから…」
そんな調子で２人勉強して…
いつ話を切り出そうか悩んでいたら…
A「そういえばさ」
宏光「ん？」
A「昨日つけてきたよね？」
宏光「えっ？！」
バレてた…
A「え？ バレてないと思った？」
宏光「…わりぃ」
A「別にいいよ、パパと会ってただけだし」
宏光「やっぱり… お父さんだったんだな…」
A「気づいたからやめたの？」
宏光「あぁ… 玉森が気づいて…」
A「そっか」
宏光「…結構会うの？」
A「2ヶ月に1回ぐらい、母さんには内緒で」
宏光「そうか…」
A「中学から携帯持つようになって、
連絡とれるようになってからちょくちょく会ってる」
宏光「…あのさ」
A「ん？」
宏光「…何で会いに行くの？」
A「え？」
あっ…
宏光「いやっ…」
A「…会いたいから」
宏光「…そっか」
A「何でそんな事聞くの？」
宏光「別に…」
A「宏君はさ… 親との関係悪いの？」
宏光「それは…」
A「…ごめん、気にしないで」
宏光「いやっ、話すよ…」
A「いいの？」
宏光「昨日 部室に帰ってみんなで話してたんだ…
Aには話してほしいって言って…
自分の事を話さないのはおかしいって…」
A「そうなんだ…」
宏光「俺… 父親を知らないんだ…」
A「ぇ…」
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作者名：nanami | 作成日時：2019年11月11日 23時
