7話 ページ8
ASide
そろそろお昼を作ろうと部屋を出た時…
A「あ、柊さん」
柊「あぁ… ただいま…」
A「おかえりなさい、今からお昼作りますね」
そう言って下に降りようとしたら…
柊「Aでしょ？ 廉に飛行機の時間教えたの…」
A「っ… はい…」
柊「…なんで教えたの？」
A「…後悔してほしくなかったんです、
2人が両思いだってこと… 分かってましたから…」
柊「…だったら俺の気持ちも気づいてたでしょ？」
A「…はい」
柊「…俺の事はよかったの？」
A「っ…」
柊「俺だって… 美男の事…」
A「…すみません」
柊「っ！… なんで…」
A「えっ…？」
柊「…なんでAが泣いてるの？」
A「ぇ…」
柊さんに言われて気付いた…
自分が泣いていることに…
柊「…ごめん、責めるようなこと言っちゃって」
A「いえ… 柊さんに悲しい思いをさせてしまったのは私ですから」
柊「でも、それは廉と美男の事を想ってでしょ？
Aだって辛かっただろうし… ごめん…」
A「えっ？」
柊「だって… 廉の事好きなんでしょ？」
…え？
A「ち、違いますよ！」
柊「大丈夫！ 廉には言わないからさ…」
A「いや、だから！」
柊「失恋した同士… 頑張ろう…」
A「えっ…」
失恋… そう… だよね…
私の想いは届かないんだもんね…
柊「A？」
A「…ご飯作りますから、好きな時に食べてくださいね」
柊「手伝おうか？」
A「いえ、柊さんはお部屋で休んでください！
私は… ただのお世話係にすぎないので！」
柊「でもさっ」
A「お願いです！ 1人にしてください…」
柊「ぇ…」
A「…ごめんなさい」
そう言い残して、私は下に降りた…
つい… ぶつけちゃった…
『だって… 廉の事好きなんでしょ？』
『大丈夫！ 廉には言わないからさ…』
私はやっぱり… ただのお世話係にすぎないんだ…
取り合えずお昼ご飯を作ったけど…
柊さんに会うのが辛くて…
廉さんを理由にお弁当をもって事務所へ向かった…
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作者名：nanami | 作成日時：2018年7月12日 21時
