99.9－刑事事件専門弁護士－真実を追う者と恋愛の神様番外編 (ページ10)

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②出産までの道のりページ10

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それからひろ君は…

ものすごく気遣ってくれて…

深山『ダメだよそんな資料の束を持っちゃ』

A『ですがっ』

深山『こういうのは明石さんが持てばいいの』

明石『ってお前の資料も俺持ってんだけど？！』

深山『出来ないの？』

明石『で、出来まぁ～す！』

家でも…

A『ご馳走様、じゃぁ洗い物っ』

深山『Aは座ってて、僕がやるから』

A『でも洗い物ぐらいは』

深山『いいの、座ってて』

健診にも付き添ってくれて…

お腹が目立つようになった頃には…

医師『これが頭で、これが胴体…

手足も出来てきてるね、順調ですよ』

深山『よかった～』

医師『性別は～まだ分かんないな～

どうします？わかったらお伝えしましょうか？』

深山『どうする？』

A『私は… お楽しみでいいかな』

深山『じゃぁ… 生まれた時で』

医師『わかりました』

産休を取って家でひろ君を待つようになってからは

ひろ君は資料を持って帰ってきて

私の意見を聞かせてほしいと机に広げて

深山『気になる点はある？』

A『そうですね… 時間でしょうか』

深山『時間？』

A『犯行現場から確保された場所まで

軽く3kmは離れています、

死亡推定時刻から確保された時間まで約10分…

車やバイクを使えば無理はありませんが…

監視カメラに映らないように行くには…

入り組んだ道を通らなければなりません…』

深山『車は近くのパーキングに停めてあった…

車を使ったとしてもカメラに映らないようにするには…

どう頑張っても15分はかかる…』

A『パーキングの駐車時間を見ても…

依頼人に犯行は不可能かと思います…』

深山『確かにね…』

ポコッ

A『ぁ…』

深山『ん？』

A『今…』

ひろ君の手を取ってお腹に当てると…

ポコッ

深山『っ！』

A『動いた…』

深山『きっと“ママすごい”って言ってるんだよ…』

A『ぇ…』

ポコッ

深山『ほら、そうだって』

A『…フフッ！』

深山『フフッ！』

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