どっちの味方？･･･side Kazu ページ7
｢家まで送る･･･｣
｢いいよ、タクシー拾うから｣
｢いいから乗れって！！｣
Jに腕を掴まれ荷物と一緒に
車の後部席へと押し込まれた。
バタンッ
静まり返った車内･･･
相葉さんがバックミラー越しに
俺とJのことを気にしている。
雅紀｢･･･なんか、こんなことになってごめんね？｣
和也｢謝るくらいならやるなよ｣
潤｢だったらこんなことさせるな｣
和也｢はあ？！こ、のっ･･･｣
雅紀｢ちょ･･･ニノ！？｣
その言葉で思わずJに掴みかかろうとした時、
相葉さんが急ブレーキをかけて車を停めた。
潤｢･･･っぶねえな｣
和也｢はぁ･･･やっぱり戻る｣
雅紀｢戻るって？｣
和也｢いまのAちゃんをひとりにできない｣
潤｢それは･･･あの日が近いからか？｣
和也｢知ってるならこんなことするなよ｣
潤｢だから、アイツを翔くんのところに
連れていこうとしたんだ｣
和也｢あの日が近づいて気持ちが
不安定になっていくのが一緒にいてわかるんだよ｣
潤｢それで？俺がそばにいてやるんだって？｣
和也｢･･･｣
潤｢忘れたのか？一年前･･･
(何を聞いても気持ちは変わらない)って言ったよな？
なのに、ニノはアイツから逃げたんだそ？｣
和也｢あぁ･･この一年、ずっと後悔してたよ｣
翔さんに片想いをしていた
Aちゃんのことを好きになった。
俺に振り向いてほしくて
好きって気持ちを言葉にして伝えた。
だけど･･･
Aちゃんが背負う心の傷と体の傷を知り
重すぎる現実から俺は逃げた。
好きって気持ちだけじゃ、
大切にしたいって想いだけじゃ、
幸せにはできないってわかったから。
もしあのときあのまま
Aちゃんのそばにいたなら･･･
俺たちの気持ちはつながっていたかもしれない。
一年経った今でも俺の気持ちは変わっていない。
なんの根拠もないけど今の俺なら
Aちゃんのそはにいて守っていける。
･･･それだけの自信がある。
潤｢フン･･･その自信どんだけだよ｣
和也｢だよなぁ･･･あんなこと言われたらさ
さすがに心折れるでしょ、はは｣
雅紀｢ニノ･･･｣
｢和ちゃんと私は何にもないし、絶対にないから｣
わかってたよ、最初から･･･
翔さんには適うはずないってさ。
和也｢だけど･･･絶対はつけなくてもいいのに｣
潤｢･･･なんだよ、諦めるのかよ｣
和也｢あ？一体Jはどっちの味方なんだ？｣
潤｢どっちとかじゃねえ･･･どっちもだ｣
Jのその言葉に救われた気がした。
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作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
